ストレスチェックの結果から高ストレス者を選定する割合はどう決めたらいい?

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ジャンル:ストレスチェック

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高ストレス者の選定基準はストレスチェック対象者の「10%」という基準もありますが企業によって適切でないこともあるようです。選定方法やどのくらいの割合にしたらよいのか選定基準について解説します。

10%を基準にしたときの問題点とは

厚生労働省はストレスチェックの実施マニュアルの中で、高ストレス者が検査対象者の10%になるようにするときの数値を示しています。高ストレス者の割合を上位10%にした場合、5,000人の労働者を雇用する企業であれば面接対象者は計算上、500人です。3,001人以上の大企業では専属を含めて2名以上の産業医を選任する義務があるので、複数名の医師で対応することもできるでしょう。しかし、面接指導は労働者の申出から「概ね一か月以内」の実施が求められています。数百人に及ぶ面接指導を一か月以内に行うのは、実際のところ容易ではありません。
また、精神科や心療内科の医師に臨時に対応してもらう場合、面接の費用は高額になることが予測されます。さらに、ストレスチェックでは面接指導の結果を受けて職場環境の改善など必要な措置までが求められるので、上位10%を基準にするのは課題も多いといえます。


選定基準はどう決める?職種が違う場合は?

ストレスチェック制度では、労働者のうち面接指導の対象となる人の要件を「労働安全衛生規則」の第52条の十五において定めています。規則では「心理的な負担の程度が高い者」と述べるに留まり、高ストレス者を選定する割合は一律に決められている訳ではありません。
厚生労働省は、高ストレス者の割合について各企業の衛生委員会等において選定基準を調査審議して決定することができ、企業内の職種ごとに選定基準を変えることも可能としています。


選定方法は衛生委員会等で審議

高ストレス者の割合を決める方法は「上位10%」などのように数値を基準にする方法以外に、専門家による面談を利用して決められることをご存じですか。実は、医師や保健師、産業カウンセラーなどが労働者に面談した結果から高ストレス者を選定する方法もあり、この面談はストレスチェック制度の一環として位置づけることが可能です。
このように高ストレス者の選定方法は一つではなく、具体的には企業の特性などを含めて衛生委員会等で調査審議して決めることになります。しかし、衛生委員会等で審議するにしても、精神医療の専門家がいない場合には選定基準が果たして適切かどうかの判断自体が難しいということも少なくありません。


まとめ(衛生委員会等で審議するにも精神分野の専門家が不在の事業場では適切かどうかの判断も難しい、外部委託をすると相談できるのがメリット)

職場に精神科医など精神医療の専門家が不在の場合は、ストレスチェック提供会社に委託するとよいでしょう。高ストレス者をどのくらいの割合とすればよいかなどの相談ができるだけでなく、検査の実施から記録の保存などまで請け負ってくれます。
ストレスチェックは新しい制度なのでわかりにくさもあり、仕事量も決して少なくありません。実施者の負担軽減を図るためにも、費用はかかりますが外部委託を上手に利用するとよいでしょう。