キャリアコンサルタント登録制度が始まる!創設初年度の登録数は2万6千人

キャリアコンサルタント登録制度が始まる!創設初年度の登録数は2万6千人

ジャンル:労務管理

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キャリアコンサルタントは、キャリア形成支援を行う専門家です。平成28年度から国家資格となり、同時に登録制度も創設され初年度の登録数は約2万6千人でした。キャリアコンサルタントは企業や学校など幅広い分野で活躍をしており、今後はストレスチェック制度などのストレス対策においても役割を担う可能性があります。そこで今回は、キャリアコンサルタントの資格や登録制度、今後、期待される役割などを紹介しましょう。

キャリアコンサルタントは名称独占の国家資格

キャリアコンサルタントは職業選択や能力の開発、向上などに関する相談や助言などを行うキャリア支援の専門家です。職業能力開発促進法の改正に伴い、キャリアコンサルタントは平成28年4月1日から国家資格となり、業務上、知り得たことを外部に漏らしてはいけない(守秘義務)などの義務を負うことになりました。

キャリアコンサルタントの主な活躍の場は、就活に関係した相談機関や転職エージェント、また、学校や企業のキャリア相談室などです。従来のメンタルヘルス対策は、対象者が持つネガティブな要因を排除して病気や再発を防ごうという「病理モデル」でした。

しかし、キャリアコンサルタントが行うキャリア支援は「成長モデル」型の支援で、たとえば、面談などを通して労働者が自分を振り返る機会を作り、自分の強みを認識できるようにサポートします。また、ポジティブなフィードバックを通して労働者のモチベーションを高めたり、能力を発揮しやすい職場環境を整えたりして労働者がイキイキと働き、成長を感じられるように一人ひとりに合った支援を行います。


キャリアコンサルタントの登録制度とは?

キャリアコンサルタントの資格を得るには「キャリアコンサルタント試験」に合格し、国の指定する登録機関に登録しなければなりません。キャリアコンサルタントの登録制度は5年更新で、平成28年度に国家資格になったと同時に創設されました。新制度では、登録していない人は「キャリアコンサルタント」と名乗ることができません。これが、いわゆる「名称独占」です。国家資格となった平成28年度の登録数はおよそ2万6千人。平成29年8月末日までの登録数をみると、すでに3万近い人が登録しています。

なお、キャリア形成支援に関する資格としては、以前より国家検定の「キャリアコンサルティング技能士」などの資格がありました。そのため、経過措置として「5年間」は旧制度による一定の有資格者は新制度の合格者とみなされ、キャリアコンサルタントの登録を行うことができます。


キャリアコンサルタントに期待される役割

近年、キャリア支援によって労働者がやりがいを感じられる職場環境を整え、メンタルヘルス不調を防ごうという視点が注目されています。そもそもキャリアコンサルタントが国家資格になったのも、キャリア支援の担い手として職場のメンタルヘルス対策に貢献することが狙いとしてあるようです。職場の実態として、メンタルヘルス不調者からは「上司に厳しく注意されるばかりで、頑張りが認められずヤル気を失った」という声も聞かれます。

キャリアコンサルタントは、上司の部下に対するかかわり方や人材育成の視点などの助言を通して、部下のヤル気を高め、イキイキと働ける職場づくりなどに貢献すると考えられます。キャリア支援をする際、職場の特徴を知り、「強み」を発見することは極めて重要です。職場環境の把握には毎年、実施しているストレスチェックをうまく活用するとよいでしょう。たとえば、努力義務となっている集団分析を積極的に実施すると、職場環境の課題とともに、それぞれの職場にある「強み」に気づく機会となり、職場改善に活かすことができます。


まとめ

キャリアコンサルタントの登録数は、今後も徐々に増えることが予測されます。キャリア支援の専門家が増えることで、企業の「キャリア相談室」の設置なども進むことでしょう。

また、ストレスチェックの結果をキャリア支援に活かすことにより、メンタルヘルス不調が起きにくい職場づくりにつながることが期待できます。今後は、キャリアコンサルタントの活躍の場が一層、広がり、メンタルヘルス対策においても活躍することでしょう。