厚生労働省が12月に開催する「職場のメンタルヘルスシンポジウム」とは?

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ジャンル:セミナー情報

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平成27年12月のストレスチェック制度施行からまもなく2年。厚生労働省は平成29年12月に東京と大阪で「職場のメンタルヘルスシンポジウム」を開催することになりました。シンポジウムでは、「職場環境改善」をテーマに基調講演やパネルディスカッションなどが行われる予定です。今回は、メンタルヘルスシンポジウムが開催される背景やシンポジウムの内容についてご紹介いたします。

厚生労働省がストレスチェックの実施状況を公表 実施率は82.9%

厚生労働省は平成29年7月、ストレスチェック制度の実施義務がある企業のうち、平成29年6月末までに労働基準監督署に実施報告をした企業について実施状況を公表しました。ストレスチェック制度の実施率は、全体では82.9%。企業の規模別にみると50~99人の企業では78.9%、1,000人以上の企業は99.5%で規模が大きくなるにつれて実施率は高くなっています。



また、実施報告書を提出した企業のうち、集団分析を実施した企業は78.3%でした。集団分析の実施率も企業の規模が大きくなると高くなっていますが、いずれの企業規模も8割前後の実施率に留まっています。



集団分析は、職場や部署ごとに集計と分析をすることにより、職場別のストレス状況を把握できるのがメリットです。現行の労働安全衛生法では、集団分析や環境改善の取組みは努力義務となっています。しかし、仕事の進め方や作業環境、職場の人間関係などの環境改善を図るためには職場ごとの現状を把握する必要があり、集団分析が大いに役立つと考えられます。


平成29年度のシンポジウムのテーマは「集団分析等を活かした職場環境改善」

平成29年度 メンタルヘルスシンポジウムは「ストレスチェック集団分析結果等を活かした職場環境改善」をテーマとして、平成29年12月に東京と大阪の2会場で実施されます。今年度のプログラムは以下の通りです。

1. 基調講演「ストレスチェック制度の意義と職場環境改善の効果について」
【講師】独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所過労死等調査研究センター 総括研究員(医師) 吉川 徹 氏

2. 事例発表職場環境改善に取り組む企業3社による発表(予定)

3. パネルディスカッション「職場環境改善の効果的な実施に向けて」
コーディネーター:吉川 徹 氏
パネリスト   :事例発表企業3社(予定)

【東京会場】*満席
平成29年12月4日(月) 13~16時ヤクルトホール(東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル)

【大阪会場】
平成29年12月14日(木) 13~16時グランキューブ大阪(大阪市北区中之島5-3-51)

メンタルヘルスシンポジウムの参加は無料ですが、各会場とも事前申し込みが必要です。なお、当日参加できない方は、シンポジウムの動画が平成29年度中に厚労省のHPにアップされる予定となっているので適宜、利用するとよいでしょう。


毎年、実施するストレスチェックを効果的に活用してコスパを高める

厚生労働省の公表によると、集団分析の実施率は約8割でした。努力義務であることを考えると、「多くの企業が実施している」と評価することもできますが、残り2割ほどの企業は「職場改善につながる貴重なデータを十分に活用していない」ともいえるでしょう。ストレスチェックの実施義務がある企業では、毎年、費用や時間、手間をかけて検査を実施することになります。

ストレスチェックのコスパを高めるためには、検査で得られるデータを職場別に集計や分析を行い、職場ごとの問題点を明らかにして改善につなげることが大切です。一方で、「集団分析といわれても、方法がわからない」ということもあるでしょう。集団分析が難しいと感じる場合は、ストレスチェック提供会社に外部委託して実施する方法もあります。また、改善に向けた取組方法に難しさを感じたときは、取組事例の中から自社において「実施できそうなところ」を探し、一部を採り入れて実施するとよいでしょう。メンタルヘルスシンポジウムなどの機会を通してストレスチェックの活かし方を学び、社員がイキイキと働ける職場づくりに取り組んでください。