3人に1人がパワハラ経験者!職場のパワハラ対策とその効果

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ジャンル:労務管理

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厚生労働省は平成24年度の実態調査に続き、平成28年7~10月に職場におけるパワハラの発生状況やパワハラによる影響、企業の取組みなどを調査しました。その結果、パワハラを受けたことのある従業員は、前回の調査よりも上昇していました。パワハラに関する企業の取組みとその効果、課題などを紹介します。

影響は深刻!パワハラは被害者の労働意欲も低下させる

厚生労働省は「平成28年度 職場におけるパワーハラスメントに関する実態調査」として、20,000社を対象にした【企業調査】と10,000人の従業員を対象にした【従業員調査】を行いました。平成28年度の調査では、過去3年間に「パワハラを受けたことがある」と答えた従業員は32.5%、平成24年度の25.3%よりも7ポイントほど高くなっています。

また、パワハラを受けたという従業員に心身への影響を尋ねたところ、多かったのは「怒りや不満、不安を感じた」や「仕事に対する意欲が減退した」でした。さらに、パワハラを何度も受けたという人は、回数の少ない人に比べて「眠れなくなった」「通院したり服薬をした」などの影響を挙げています。

パワハラは何度も繰り返すうちにエスカレートする傾向があるので、企業はパワハラの実態をより早く把握し、深刻な事態を招かないように対策を講じることが重要です。


パワハラを受けた人が誰にも相談しない理由

職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)によると、パワハラ事案の把握方法として多かったのは「人事等の社内担当部署への相談や報告」が64.7%(複数回答)、「従業員向けの相談窓口」は52.1%でした。調査をみても、会社の担当部署や相談窓口を利用して相談した人、あるいは会社とは関係のない友人や家族、医師や弁護士などに相談している人もいます。

しかし、パワハラを受けた後の行動として最も多かったのは「何もしなかった」でおよそ4割を占めていました。男女別にみると、女性の28.7%に対し、男性は49.5%と半数近い人が何もしなかったと答えています。

何もしなかった理由(複数回答)は「何をしても解決にならないと思った」が68.5%で最も多く、「職務上不利益が生じると思った」と答えた人は24.9%でした。企業がパワハラの問題を把握するには、パワハラの問題に対して適切に対処し、従業員が安心して相談できる環境、体制づくりが欠かせないことがわかります。


あなたの職場は大丈夫?小規模の企業ほど取組みが遅れている

パワハラの予防・解決に向けた取組みは、従業員規模で分けてみると実施状況に大きな差があります。従業員が1,000人以上の大企業では88.4%が実施していますが、99人以下の企業では26.0%で対策の遅れが目立ちました。また、パワハラ問題の把握方法にも違いがあります。大企業の9割以上が社内・外の相談窓口で把握しているのに対し、規模の小さい企業は相談窓口での把握は少なく、担当部署への相談や人事考課などの定期的な面談が上位を占めました。さらに、パワハラを経験した従業員のうち「会社関係に相談した」という人は、予防や解決に取り組んでいる企業では31.2%、取り組んでいない企業では17.1%でした。このように企業が対策を講じると、従業員が会社に関係したところに相談する割合が高くなる可能性があります。



パワハラは複数の対策を実施すると効果を実感しやすい

取組みの効果としては、管理職の意識変化によって職場環境が変わる、職場のコミュニケーションが活性化する、あるいは休職者や離職者、メンタルヘルス不調者の減少などが挙げられています。効果を実感できた取組みとして上位を占めたのは、相談窓口の設置、管理職向け、あるいは一般社員向けの講演や研修会などです。

また、従業員は、研修の開催やトップの宣言、周知活動をそれぞれ単独で行うより、複数の取組みを行った方が効果を実感しやすいとしています。具体的に効果が実感できたのは、職場の生産性や働きやすさ、また、業務の負担感や部下への指導のしやすさ、コミュニケーションなどの点です。このような効果は、企業の規模や業種に関係なく重要といえます。自社においても、厚生労働省の調査で得られた結果を参考にしてパワハラの予防・解決に向けた取組みを検討し、実施しましょう。