特別な休暇制度導入事例にみる休み方改革のいま

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ジャンル:ストレスチェック

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仕事に対するやる気やモチベーションを維持するには、労働時間と休暇の適切なバランスが求められます。そうやって労働者が心身の健康を保ち、能力を発揮するための環境を整えることが、企業の生産性の向上には欠かせません。そこでいま注目を集めているのが、働き方ならぬ、休み方改革です。最新の特別な休暇制度導入事例を取り上げながら、休み方改革の現状についてご紹介します。

休み方改革における特別な休暇制度とは?

特別な休暇制度とは、休み方改革を進めるための支援策の一つ。労働者の心身を健康的に保持することを目的とし、休暇の目的・取得の仕方を労使間の対話によって設定できる法定外休暇のことを言います。社会経済を持続させるには、労働者一人一人が家庭生活を充実させ、地域活動にも積極的に携わるなどして疲労を回復させながら、健康で充実した生活を送ることが欠かせません。

そのためには、年次有給休暇の自由な取得が必要であり、経営者が中心となった、有給休暇を取得しやすい職場環境づくりが急務です。そうした状況に鑑み、厚生労働省では、病気休暇やリフレッシュ休暇など、労働者それぞれの個別化した事情に対応した新たな休暇制度の普及を進めています。


大企業による特別な休暇制度導入事例:住友林業株式会社

林業・建材だけでなく、住宅・不動産事業も手がけ、連結子会社も含めると従業員数が17,001名(2016年3月現在)にも上る大企業「住友林業株式会社」では、男性にも出産や育児に向き合ってほしいという考えから、男性社員向けに「配偶者出産休暇」として、2006年からは3日、2010年からは5日の有給法定外休暇を設定。配偶者の出産前にも取得することができるため出産に立ち会うことが可能になり、現在ではおよそ半数の男性社員が利用しています。なかには、これまでに3回の子供を設け、出産の都度、制度を利用した社員もいるとのことです。

さらに、住友林業では、介護が必要な家族をサポートする目的で「家族の介護・傷病休暇」を有給で設置しています。要介護の家族が1人いる場合は10日、2人以上いる場合は15日の休暇取得が可能。通院の付き添いなど、日単位ではなく時間単位で利用できるほか、緊急時には事後申請も認められているなど、フレキシブルな内容が好評を集めているようです。


中小企業による特別な休暇制度導入事例:アサヒ工業株式会社

島根県松江市に拠点を置く、従業員数22名(2016年7月1日現在)の比較的小規模な建設会社「アサヒ工業株式会社」では、子育てを支援する休暇制度を充実させています。社員の満足を実現するためにアンケートを実施したところ、子育てへの参加を希望する男性社員の声が多かったことから、年に2日間、中学校就学前の児童が2人以上いる場合は4日間の「学校行事休暇」を設定。

加えて、法定の「子の看護休暇」についても、対象となる社員を「小学校就学始期に達するまでの子を養育する社員」から「中学校就学始期に達するまでの子を養育する社員」へと広げました。当企業では、経営者が中心となり、労働時間と休暇のバランスについて積極的に社内でアナウンスを実施。特別な休暇制度を社員が利用しやすい雰囲気づくりを心がけたことで、社員同士の間で業務や休暇を調整しあう空気を生むことに成功しています。