労働基準監督署に「労働時間改善指導・援助チーム」を新たに編成。求められる対応とは?

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ジャンル:労務管理

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厚生労働省は、2018年4月1日、全国の労働基準監督署において、「労働時間改善指導・援助チーム」の編成を開始しました。労働条件を確保したり、改善したりすることを目的とするもので、「労働時間相談・支援班」と「調査・指導班」の二つの班から構成されます。「労働時間改善指導・援助チーム」の内容について具体的にご紹介します。

「労働時間改善指導・援助チーム」とは?

主に中小企業における労働条件や労働時間の改善を手助けする目的として2018年春に始動するもので、「労働時間相談・支援班」と「調査・指導班」の二班に分かれて支援を行います。「労働時間相談・支援班」は、労働関係法令や労務管理体制についての知識を提供したり、相談・対応や支援を行ったりします。「調査・指導班」は、長時間労働の改善を目的として監督や指導を行います。


「労働時間相談・支援班」

「労働時間相談・支援班」では、労働基準監督署内に「労働時間相談・支援コーナー」を設置。「働き方改革」 への取り組みをサポートすることを目的として、中小企業の事業主などを主な対象に、窓口や電話を通じて、以下のような事柄についての相談や対応を受付け、解決策を提供します。

 1. 時間外・休日労働協定(36協定)を含めた労働時間制度
 2. 一ヶ月および一年変形労働時間制など、労働時間に関する制度の導入
 3. 長時間労働を是正するための具体的な取組み
 4. 時間外労働に上限を設定する際などに利用できる助成金

具体的には、残業時間を減らしたり、有給休暇制度を設けたりしたいがどうすればいいかわからない、現在の労働時間制度で問題がないかどうかを知りたい、などの悩みや疑問に応じます。個別訪問による相談にも対応します。


「調査・指導班」

「調査・指導班」では、「労働時間改善特別対策監督官」として任命を受けた労働基準監督官が、長時間労働や過重労働が原因となって起こる健康障害を抑制・防止するため、各企業に対して監督や指導を実施します。

確認しておくべき労働時間に関するルール
原則として一日8時間、週40時間を超えて労働が行われる事業場では、労使協定書を締結して労働基準監督署に届け出る必要があります(36協定)。届け出ることによって一ヶ月45時間、一年間360時間を上限とした時間外労働の延長が可能であるほか、「特別条項」を付与することにより、さらに限度時間を超える労働が例外的に認められます。これに違反すると、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されます。


労働時間を巡っての調査や指導が強化されることに

長時間労働の改善・解消は、政府が推進する「働き方改革」の大きな課題となっています。「労働時間改善指導・援助チーム」の編成にともない、労働基準監督署による労働時間を巡っての調査や指導が今後ますます増えることが予想されます。万全の備えが求められると言えるでしょう。