職場環境改善の強化を。ストレスチェック義務化2年で見えてきた課題

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ジャンル:ストレスチェック

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ストレスチェックを実施した企業・団体の担当者を対象に行われた調査によると、多くの手応えが感じられる一方、職場環境改善についての成果が十分でないことがわかりました。義務化されてから2年目を終え、ストレスチェックの課題が明らかになってきたと言えるでしょう。ストレスチェックを従業員の健康維持と企業の生産性向上に結びつけるための施策実施に向けて、図られるべき職場環境改善の強化について解説します。

ストレスチェック後の職場環境改善の難しさが明るみに

2017年11月、株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントが、ストレスチェックを行った企業・団体の担当者231人を対象にアンケート調査を実施。

それによると、医師による面接指導は積極的に実施されている反面(85.3%)、職場環境改善を実施しなかったとする回答が全体の4割以上を占めることがわかりました。

その内容としては、「高ストレス者で医師面接を希望しない人のフォロー」体制が整っていないとする意見が60.6%と最も多く、「職場改善のために何をすべきかわからない」とする声が37.2%と続きました。ストレスチェックについての従業員の理解が進み、受検率は向上しているものの、職場環境改善が思うように進んでいない実態が明らかとなりました。


そもそも職場環境改善とは

職場環境改善とは、従業員のストレスを減らしメンタルヘルス不調を防ぐ試みのことです。具体的には、労働時間や作業方法、人間関係など、職場を構成するあらゆる環境を改善することを指します。

作業ペースや勤務形態、よい人間関係が維持されることなどがストレス対策のポイントとして挙げられ、仕事の量や責任に適切な裁量権を従業員に提供することが重要と考えられています。

国際労働機関の報告によれば、職場のレイアウトを改善したり、小さなグループ活動を活性化したりすることが、ストレス対策に効果があることがわかっています。


職場環境改善できるか否かでストレスチェックの本質が問われる

ストレスチェックは、その対策が行われてこそ意味をなすものです。実施されて3年目となる2018年、ストレスチェックは義務化に対応するために行うものから、実際に職場環境改善や企業の生産性向上に向けた活動への転換が求められます。

集団分析の結果を職場環境改善へと確実につなげていくために、具体的な対策を打ち出せるのかどうかが問われることになります。取り組みの成功事例を参考にしたり、厚生労働省が提供する職場環境改善ツールを利用したりして、小さな施策であったとしても、確実にPDCAサイクルを回していくことが重要でしょう。