人事部必見、労基署行く社員を食い止めろ
ジャンル:労務管理
人事部必見、労基署行く社員を食い止めろ
ジャンル:労務管理
「労基署」とは労働基準監査署のことです。この機関について、どれほど詳細にご存知でしょうか。労基署は、労働基準法違反を取り締まる行政機関です。脱税などをすると税務署が調査に来るように、労働基準法に違反をすると、労基署が調査に来ることになります。
労働基準法について詳しく理解している経営者というのは意外と少なく、いざ労基署の調査などが入るとなると途端にパニックに陥ってしまうケースがあります。
知識不足の状態で労基署の職員に対応してしまったせいで、心象が悪くなってしまう危険性もあります。そもそも労基署が調査をしにくるということは、労働基準法に違反していることを社員が訴えたということ。労基署はきちんとした根拠がなければ対応をしないわけですから、行政処分や刑事告訴などにつながる可能性は大いにありうるわけです。
被害を最小限に食い止めるためにも、社員が労基署に相談に行く前に事態を改善することをおすすめします。
■労基署に行くのを食い止める方法とは?
では、社員が労基署に行くのを食い止めるには、どのような方法があるでしょうか。その解決方法のひとつに「相談窓口の設置」があります。相談窓口とは、社員が職場に対しての問題意識を相談することのできる場所で、直接上司などに言いにくい場合や、セクハラやモラハラなどのトラブルの摘発などで利用することができます。
相談窓口としての役割は、以下3種類に分けられます。
〈1〉相談対応の窓口
〈2〉相談内容の解決方法決定と実行
〈3〉職場環境改善の担当部門
社員の相談に対応し、相談記録をつけるのが〈1〉の役割です。〈2〉は、その問題をどのような方法で解決すべきかを決定し、実行します。相談窓口だけでの解決が難しい場合は、人事部門などに相談します。また、〈3〉のような、職場環境改善の取り組みなども求められます。
このような対応ができる相談窓口が社内にあれば、社員もまずはそこで相談するという選択肢ができます。労基署の場合、労働基準法に違反しているかどうかという確証を自分で用意していかなければならないため、比較的手軽に利用できる相談窓口を作ることは、労基署に行く社員を食い止めるという点で効果的でしょう。
「でも、相談窓口におく人員の確保が大変……」
「そもそも労働基準法について詳しく知っている社員がなかなかいない」
なんて会社も多いはず。その場合は、外部の企業に委託する形式もあります。社内で相談窓口を作ることが難しい場合は、外部委託の相談窓口を利用してみてもいいでしょう。
■無意識のストレスを見つけることで早期解決!
パワハラやモラハラなどのトラブルの解決は、早期に発見し迅速に対応することが大切です。知らず知らずのうちにトラブルが長期化することで、被害が大きくなり、被害者も精神的なダメージが大きくなってしまいます。そうなると解決自体が難しくなってしまうのです。
そもそも事態が顕在化してしまう時点で、手遅れだとも考えられます。無意識でストレスを感じている段階で問題を発見することで、職場環境も乱れず、被害者の精神や身体を壊してしまうという事態も回避することができます。