学校の先生はどれくらいストレスを感じているのか?実態調査で明らかに

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ジャンル:その他

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とある県で教職員を対象にストレスチェックを実施したところ、受検した約5,000人のうち1割を超す人が高ストレスと判断されました。部活動の指導を含む長時間勤務による負担の大きさが浮き彫りとなった形です。教職員が直面しているメンタルヘルス不調の現状や予防するための取り組みについて紹介します。

教職員が直面しているメンタルヘルス不調の現状

一般的な企業における状況と足並みを揃えるかのように、精神的な疾患が原因で病気休職している人の割合は平成4年度から21年度にかけて17年連続して増加傾向にあります。平成21年度には、在職者に占める精神疾患による病気休職者の占める割合が0.57%にも及んでいます。学校教育においては、教職員と生徒との間の人間的な触れ合いが欠かせません。つまり、教職員が教育に携わるには、心身ともに健全な状態であることが望まれます。有効な教職員のメンタルヘルス対策がとられることは、切迫した課題と言えるでしょう。


教職員のメンタルヘルス不調の原因

教職員が精神的な負担を抱える原因として挙げられるのが、残業時間の長さです。平成18年では1ヶ月あたりおよそ42時間。昭和41年度と比べると、33時間も増加したことになります。授業の準備や成績の処理などの業務を勤務時間外に行なっていることも見逃せません。

また、保護者との関わりや多数の報告書の提出など、業務の量が増加してきていることも指摘できます。保護者をはじめとする学外との関係において困難な対応が求められるケースが多く、業務の質が大きく変容してきていることもメンタルヘルス不調の原因になっていると考えられます。


教職員のストレス予防を目的とした具体的な取り組み

こうした教職員のメンタルヘルス不調を予防する取り組みとして、まずは本人がきちんと自己管理し、それぞれが自分なりの対処法を見つけるなど、セルフケアへの意識を高めることが期待されます。校長がリーダーシップをとり、実際に起こりうる事態を想定したグループワークや演習を行う実践的な研修も開催することも効果があるでしょう。

健康診断の際ストレスチェックを実施し、高ストレスと判断された教職員には精神科医や臨床心理士などの専門家が面談を行える体制の整備も必要でしょう。


職員を対象とした復職支援の現状

平成23年に精神疾患による休職者のうち、実に42.5%もの人が翌年の調査時においても休職を継続し、20.3%が退職に至っています。こうしたことから、復職支援の充実もまた喫緊の課題と言えるでしょう。休職者に対しては、休職を開始した時点から細やかなケアを行い、復職プログラムの計画的な実施はもちろん、実施前の段階にも配慮した充実した対応が求められます。

校務分掌での主担当を回避させたり、本人の同意を得た上で他の教職員に対して情報を開示したりするなど、復帰後に関しても、万全のフォローアップ体制を整えておく必要があります。