やってみよう!健康診断と一緒にストレスチェック
ジャンル:労務管理
やってみよう!健康診断と一緒にストレスチェック
ジャンル:労務管理
従業員が1人でもいる事業者は、労働安全衛生法によって毎年1回の定期健康診断の実施が明確に義務付けられています。定期健康診断とストレスチェックはどちらも年に1回実施するもので、同時に実施しても問題ないこととなっています。ただし、健康診断とストレスチェックでは、それぞれの結果をどのように取り扱うかが異なっています。この違いを理解したうえで、健康診断と同時にストレスチェックを実施してみましょう。
■健康診断とストレスチェックは年に1回必ず実施
事業者には、常時使用する労働者に対して1年に1回の定期的な健康診断を受診させることが、労働安全衛生法で定められています。ストレスチェックの受検も労働安全衛生法により、年1回の実施が義務づけられています。どちらも1年に1回受けることは同じですね。さらに、健康診断は毎年労働者全員が受診したかどうかを事業者が確認します。
それなら、一緒に実施してしまったらいいのではないでしょうか。手間を減らして受検率を上げることができます。
■健康診断とストレスチェックを一緒に行うためには
健康診断とストレスチェックを同時に実施することは可能なのでしょうか。結論としては同時実施が認められていますので可能です。健康診断の問診票を記入するときに、ストレスチェックの調査票にも同時に記入してもらうような流れを作ればよいことになります。
また、ストレスチェックと健康診断とを、労働者全員が同一日程で一斉に行う必要はありません。問診票や受検票への記入も、紙媒体・システムのいずれを使っても有効という点などが共通していますので、同時に行うメリットは大きそうです。
ひとつ異なるのは、健康診断には実施と結果の記録が事業者に義務づけられていること。これに対して、ストレスチェックの場合は、その実施は事業者に義務づけられているものの、個人の検査結果については、本人の同意がない限り事業者が知ることができません。
■健康診断と一緒に行うときに気を付けたいこと
つまり、健康診断とストレスチェックを同時に行う場合には、労働者の個人情報の保護に注意を払うことが必要になります。たとえば、事業者も労働者も楽だからという理由で、安易に問診票と調査票を1枚の紙に記入するようにしてしまうと、知ることができないはずのストレスチェックの結果が健康診断の結果と同時に事業者に知られてしまいます。これは、法律として認められていないばかりか、労働者からの信頼を損なうことがあるので要注意です。まずは、問診票と調査票の用紙を別にするなどの工夫が求められます。
また、労働者全員を一斉の健康診断とせず、「誕生月に受診」などという具合に、年間をとおして健康診断を行っている場合は、ストレスチェックも一斉受検はできないことになります。
■企業にあった実施方法法を探そう
企業によってはシステムを利用して健康診断と同時にストレスチェックを行う場合もありますね。その場合は、どの項目が健康診断で、どの項目がストレスチェックなのかを予め明確にし、システム構築前に同時に実施したいことをシステム会社へ相談しておくことが必要です。詳しい仕組みについては、システムでのストレスチェックを提供している会社との相談となりますので、ストレスチェックナビから提供会社を検索して、確認しておきましょう。