【日本の闇】20代を追い詰めるブラック企業

【日本の闇】20代を追い詰めるブラック企業

ジャンル:労務管理

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職場のストレスなどによりメンタル不調となる労働者が増えている原因の1つが劣悪な職場環境とも言われています。残業代を出さず、有給休暇を取らせず、厳しいノルマをあたえるなど、劣悪な環境のブラック企業。安定した仕事を求める20代の労働者を雇い入れ、じわじわと追い詰めます。求められるのは、メンタル不調者を出さない企業の取り組みなのです

メンタル不調の労働者は増加しています。

厚生労働省が発表している「平成27年度 脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」(出典:厚生労働省)によると、精神障害の労災請求件数は年々増加傾向にあり、平成27年は1,515件と過去最多となっています。精神障害を起こした出来事で最も多かったのは、上司とのトラブルや、嫌がらせやいじめを受けたなどの対人関係であり、次いで仕事内容や仕事の量に変化があったこととなっています。
また、20代の死因の第1位は自殺であり、半数近くの方が自ら命を落としているということも見逃すことはできません。


職場環境が劣悪なブラック企業

20代の労働者を精神障害や自殺に追い込むような働かせ方をするような企業、つまり劣悪な職場環境で働かせる企業をブラック企業と呼びます。例えば、残業させても残業代を出さない、有給休暇の取得を認めない、ノルマが厳しく達成できなければ従業員に買い取らせることなどが日常頻繁に行われていたり、離職率が極端に高くなっている企業は、ブラック企業だとみなされることが多いと言えます。
企業に就業規則や労働協約があったとしても、それが守られていなければ、ブラック企業と判断されてもおかしくはないですよね。


なぜ20代労働者がブラック企業に追い込まれがちなのか

20代の労働者は、企業の中では最も若く、仕事の経験も浅く、先輩方に教わりながら仕事を進めていくことが多いと言えます。そのため、仕事に不慣れで時間がかかってしまったときに、長時間かかるのは仕事が遅いからであって残業を申請するべきではないと上司や先輩に言われると残業申請がしにくくなります。また、仕事が終わらないのは自らの能力不足であると言われてしまうと残業代がつかないことに反発しにくくなったり、先輩方が毎日遅くまで働いている職場では自分だけ早くは帰りにくくなったりもします。
このような劣悪な環境でも反発しにくい20代の労働者の弱みに付け込み、ブラック企業はじわじわと更なる圧力をかけ、厳しいノルマを課したり、残業代を出さずに働かせたりしていきます。このように20代の労働者はブラック企業に追い込まれがちなのです。


メンタル不調者を出さないための企業の取り組み

企業には就業規則や労働協約を守り、メンタル不調者をださない取り組みが求められています。精神障害となる主な出来事は対人関係や、仕事量の変化などですので、まずは労働者の勤務時間や有給休暇の取得率を適切に管理し、上司や同僚との関係性が良い、快適な職場環境をつくることに取り組みます。そして、一次予防としてストレスチェックを年1回実施し、高ストレス者がいる場合には早めのケアをすることも大切な取り組みとなります。