放任主義じゃ許されない? 求められる会社のストレス対策

放任主義じゃ許されない? 求められる会社のストレス対策

ジャンル:労務管理

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ストレスチェック制度が導入されたことにより、企業側は従業員のメンタル面においても責任が生じることになります。

社員のメンタル面での健康維持は、個人の問題ではなく企業も責任を持たなければならなくなったのです。

今後、企業はどういった対応をしなければならないのか、背景から詳しくみていきましょう。

メンタル面の健康は社会問題に

かつて、メンタル面の健康は個人に責任があるものでした。しかし1990年代後半から、うつ病を始めとした「心の病」が増加し、2014年度はうつ病による労災認定が497人と過去最高になりました。これは前年度と比較したとき14%も増えた結果になったのです。

これが20代の若い世代だけであれば「甘え」などといってスルーされる可能性もありました。しかし、実際にうつ病になって労災認定を受けているのはどの年齢層が多いのでしょうか。

実は、社会経験を充分に積んでいてこれから活躍が期待される30代が最も多いのです。

また、最高裁にてストレスの原因が職場にあると認められた場合には、労働環境を改善しなければならないとする判例が2014年3月に出たことも、ストレスチェック制度の導入に拍車をかけたと言われています。

避けろ! 「ブラック企業」認定!

セクハラやパワハラといったものは従業員に多大なストレスを与えます。これらが横行しているような企業は、世論が「ブラック企業」と認識するのが今の時代です。

今回のストレスチェック制度にきっちりと対応し、セクハラやパワハラを失くしていかなければ、「ブラック企業」と呼ばれるだけでなく責任を取ることにも繋がってきます。

なによりそのような環境下では、社員はのびのびと働くことができずに仕事のパフォーマンスも落ちるばかりでしょう。

今後は、従業員に心身ともに健康で働いていける環境を提供することが、各会社に必要な課題になります。

適切な労働環境を提供していかなければ、従業員が転職するだけでなく、社会的な信用も損ねることになっていきます。

人材育成に活用できるシーンも

ストレスチェック制度は上手く利用することで次のようなことが可能になります。集められたデータをもとに「さらに有効的な人材育成ができないか」「組織を強くしていくことができないか」などの改善点を明確にすることが可能です。

また、この制度では社内外いずれかにストレスチェック専門の相談窓口を設置するように指示が出されています。外部からプロフェッショナルの力を借りることで、社内の若い人材を育成する上でも大きな役割を果たすことになります。少子高齢化が進んでいる現在では、どのように人材を育てていくのかは企業にとって重要な課題といえるでしょう。

これをチャンスと捉えることが出来るならば、さらなる成長に繋がるのではないでしょうか。

いつチャンスを掴むのか。それは今です。

優秀な人材を引き止めることは、企業の成長に繋がります。
今回導入された制度によって、従業員のメンタルヘルスは企業の監督責任となりますが、優秀な人材育成のために活用することも可能です。
ストレスチェック制度をチャンスと考え、強い企業になっていくために有効に活用していきましょう。