いまさら聞けない時間外労働の基準って?

いまさら聞けない時間外労働の基準って?

ジャンル:労務管理

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労働基準法では、労働時間は1日8時間、1週間40時間まで、休憩時間は労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上、休日は少なくとも毎週1日の休日、4週間を通じて4日以上と定められています。平成22年4月1日には、メンタルヘルス対策も加味し、長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保し、仕事と生活の調和がとれた社会を実現することを目的とした改正労働基準法が施行されています。

時間外労働(残業)ができるのはどうして?

労働基準法には、労働時間は1週40時間、1日8時間迄と定められていますが、実際には企業では1日8時間は定時内という定められた労働時間であることが多く、定時後に残業があることもあります。

残業すると労働基準法を超えてしまうことになりますが、実は労働基準法で定めている時間を超えて働くために、労使協定(36協定)が結ばれています。厚生労働省の「労働時間の延長の限度等に関する基準」の時間外労働の限度時間の上限は、1ヶ月に45時間、1年に360時間と規定されています。しかし、36協定によってそれ以上の時間外労働を行うことも可能となります。


時間外労働の削減と年次有給休暇の有効活用にむけて

時間外労働が多く、睡眠不足になると脳や心臓疾患にかかりやすくなると言われています。

厚生労働省では、
①発症前1ヶ月ないし6ヶ月間にわたって1か月あたりおおむね45時間を超えて時間外労働が長くなるほど、業務と発症の関連性が徐々に強まる。
②発症前1ヶ月に概ね100時間又は発症前2か月ないし6ヶ月にわたって、1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外が認められる場合は、業務と発症の関連性が強い、と評価しています。

平成22年には、

①時間外労働の限度基準の見直し
②法定割増賃金の引き上げ
③時間単位年休の付与

が労働基準法に定められました。メンタルヘルス対策には、長時間労働を抑制する働き方の見直しと、年次有給休暇を取得する休み方の見直しが必要だということがわかりますね。


メンタルヘルス対策は、働き方休み方の改善から

改正労働基準法で働き方と休み方の改善の必要性が叫ばれても、帰りにくい雰囲気だったり、休みを取ると言いにくかったりする事業場では、メンタルヘルス対策に向けた労働者の時間外労働の削減や年次有給休暇の活用への改善は見込めませんね。

まずは、従来の働き方や休み方がメンタルヘルス対策として十分なのか確認してみましょう。そして、事業場が労働者と共に働き方や休み方について意見を出し合い、どのような施策に改善効果があるか知恵を出し、具体的に取り組みを行いましょう。


働き方休み方改善ハンドブックや他社の事例も参考に

厚生労働省は2014年3月に「働き方・休み方改善ハンドブック」も発行しています。「働き方・休み方改善ハンドブック」には「旅館・ホテル業編」「情報サービス業編」「電気・電子・情報通信業編」「地方銀行業編」があり、それぞれの働く環境と課題を整理し、働き方と休み方の改善の取り組みについて、事例も交えて記載されています。

多様な働き方が求められる現代において、労働基準法に定められた時間外労働の基準を守るだけでなく、各企業で働き方や休み方を改善する取り組みを行うことで、メンタルへルス対策を推進してはいかがでしょうか。