ハラスメント経験者は4人に1人!?相談したことによる二次被害も

ハラスメント経験者は4人に1人!?相談したことによる二次被害も

ジャンル:労務管理

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ハラスメントは職場に限らず学校や家庭などさまざまな場所で起こり得るもので、ハラスメントの種類も多彩です。保険ショップの「保険クリニック」が男女800名の成人を対象に行った調査では、およそ4人に1人が何らかのハラスメントを受けた経験があると答えています。そのうち、男女ともパワハラが最多でした。調査結果を基に、ハラスメントの実態についてご紹介します。

そんなつもりはなかった!ハラスメントの認識には違いも?

近年、ハラスメントはパワハラやセクハラだけでなく、さまざまな形で現れる嫌がらせやいじめなどを含むようになりました。そのため、ハラスメントの種類が増え、その数は実に30種類を超えるそうです。

たとえば、年齢を理由にしたエイ(エイジ)ハラや臭いが周囲を不快にするスメ(スメル)ハラ、また、容姿や癖について嫌がらせをするパー(パーソナル)ハラなどです。ほかに、家事労働を過小評価するカジ(家事)ハラやその場の雰囲気を壊すエア(エアー)ハラ、血液型で性格を判断して不快にさせるブラ(ブラッドタイプ)ハラなどもあります。ご存じだったでしょうか。『保険クリニック調べ』によると、エアハラやブラハラはハラスメントと思わないという意見もありました。しかし、調査対象者(20~60歳)の62%が調査の際に提示した30種類超のハラスメントすべてがハラスメントだと答えているのを考えると、ハラスメントの認識には違いがあることがわかります。


男女ともハラスメントの相手は「上司」がトップ

ハラスメントを受けた経験がある人はおよそ4人に1人です。男女ともに職場で受けた人が多く、ほかに学校や家庭なども挙げられています。ハラスメントの種類としては、ハラスメントを経験した人のおよそ6割がパワハラで、モラハラやセクハラを経験した人もそれぞれ3割を超えていました。また、ハラスメントをしてきた相手は「上司」と答えた人が多く、男女とも7割以上でした。上司に怒鳴られた人もいれば、無視された、無茶ぶりをされたなどの嫌がらせがあったようです。ハラスメントの相手としては、ほかに男性は先輩から、女性は家族や同僚などからのハラスメントが上位を占めています。


被害はハラスメントだけではない?二次被害に遭うことも!

ハラスメントを受けたとき、どのように対処しているのでしょうか。男女とも「特に何もしていない」が多く、ハラスメントを経験した人の約45%を占めました。何らかの対処をした人で多いのは「態度などでそれとなく抗議した」が約20%、「直接抗議した」は約16%、また、「上司に相談した」という人は10%程度でした。また、被害を受けたときに抗議したり、相談したりしたことで新たなハラスメントが起こり、精神的な苦痛を受けるといった二次的な被害を受けたという人もいます。たとえば、直接抗議した結果、無視されるようになった、上司に相談したところ退職を勧められたなどの被害です。


待ったなし!企業に求められるハラスメントの防止対策

男女雇用機会均等法などの法律では、セクハラやマタハラについて防止措置を講ずることは事業主の義務と定められています。一方で、さまざまな立場や年齢層の人が集まる職場では、ハラスメントの認識や言動の受け取り方に違いが生じる可能性があるのでハラスメントが起こりやすいといえるでしょう。

ハラスメント対策としては企業のトップが防止の意思を明確にし、「どのような言動が問題になるのか」を理解するために教育や啓発の機会をつくることが大切です。また、社内に相談窓口を設ける場合は二次被害を防ぐために情報管理を徹底し、窓口の担当者が適切に対応できるように担当者への専門的な教育も必要になります。費用はかかりますが、窓口の担当者や問題が生じた際の対応には専門家のサポートを検討するなど、より適切な体制構築を目指しましょう。