新社会人の出世意欲は男女差が大きい!女性にとって出世はストレス?
ジャンル:労務管理
新社会人の出世意欲は男女差が大きい!女性にとって出世はストレス?
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唐突ですが、あなたは出世したいですか?新社会人を対象にした調査をみると、新社会人も決して出世意欲がない訳ではありません。しかし、時代や性別などによる差があり、女性の中には管理職になってストレスを抱えたくないと考える人は少なくないようです。新社会人の出生意欲について調査結果を基に紹介しましょう。
どこまで出世したい?時代とともに変わる新社会人の出世意欲
トレンド総研は平成24年4月、その年に入社した「平成生まれの新社会人」と「平成元年に入社した社会人」、それぞれ250名を対象に出世意向や希望の給与額などを調査しました。その調査をみると、平成元年入社の社会人のうち、入社したときに「出世がしたい」と思っていた人はおよそ6割、給与は「1,000万円」を希望した人がもっとも多く、約4割を占めました。それに対し、平成生まれの新社会人で出世を望むのは4割で、残り6割は「役職は気にしない」でした。
希望の給与でもっとも多かったのは「400万円未満」、次に多かったのは「500万円」で、平成元年入社の人たちより現実的な額を挙げている印象があります。また、「どこまで出世したいか」を尋ねたところ、新社会人は「課長・マネージャーまで」が3割でトップ、「部長まで」が3割弱で2位でした。一方、平成元年入社の人たちは「役員・幹部まで」がおよそ4割、「部長まで」は4割弱、「社長まで」を挙げた人も1割を超えていました。
新社会人は私生活を重視?残業なしを望む人は増加傾向
ところで、採用面接のときに面接官から「残業もできますか」と聞かれて困ったという就活生は少なくないようですね。面接での回答としては「意欲を示す方がよい」というアドバイスが多くみられますが、就活生の本音はどうなのでしょうか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが新社会人1,400名を対象に行った「2015年度新入社員意識調査」をみると、残業なしを望んでいる様子がうかがえます。
「給与が増えなくても残業はない方がよい」という人は2010年は45.6%でしたが、2013年には半数を上回り、2015年は56.5%に増えました。「会社に望むこと」として「残業がない・休日が増える」を選んだ人は2011年の17.8%から年々増加し、2015年には28.8%になっています。ただ、残業なしを希望する人が増えたといっても、新社会人にも出世意欲はあるようです。この調査で、出世意欲を示した人は2015年は47.6%で、2008年の29.0%より18ポイント以上高くなっています。
出世したい女性は少数派!女性が出世を望まない理由は?
出世意欲を男女別にみると、男性のうち約6割が出世したいと答えています。しかし、女性で出世を望むのは4人に1人。他の人は「出世しなくても好きな仕事を楽しくしたい」ようです。また、新社会人に限らず女性社員を対象にした調査では、出世を望む女性は1割強といった低い結果も出ています。女性社員が出世を望まないのは「管理職になって人間関係で悩みたくない」「ストレスを抱えてまで出世したくない」などストレス回避を望む理由が多いようです。
さらに、女性管理職は未婚者、または既婚者でも子どもがいないという人が少なくありません。そのため、仕事と家事や育児などを両立することの難しさを感じて「管理職になりたくない」という人もいます。女性活躍推進法の制定や育児・介護休業法の改定などにより、従来に比べれば多様な働き方を支援する環境は整いつつあります。今後、ワーク・ライフ・バランスを実現している女性管理職が増えていくと、女性の出生意欲にもよい影響を与えるでしょう。