働きたい!女子社員の気持ちと現実

働きたい!女子社員の気持ちと現実

ジャンル:労務管理

働きたい!女子社員の気持ちと現実

ジャンル:労務管理

Facebook Twitter

■女性の労働状況

少子高齢化の影響で、日本の労働力人口は減少へ向かっている。
そのため、女性の労働力をもっと活かそうと様々な対策がなされているのは、日々のニュースや実際の企業の現場でもよく耳にしていることだろう。

しかし、日本女性の年齢階級別就業率は、いわゆる「M字型カーブ」を描いており、25~29歳と45~49歳を左右のピークとし、35~39歳の就業率が低くなっている傾向がある。

このM字型カーブからは、結婚・出産をする世代が一時的に仕事を辞め、育児が落ち着いてからまた仕事を始めると読み取ることもできる。
そのため、政府や企業は、出産・育児の間も仕事を継続できる社会を作ろうと奮闘しているが、果たして女性が仕事を辞める原因は出産・育児のためだけなのだろうか?

■男性と女性では仕事への考え方が異なる

今や終身雇用を保証する企業は少なくなってきているが、それでも一流企業に就職したような男性などは、生涯その会社で頑張ろうと思う人もいるのではないだろうか。
一般的に男性は「組織」に対しての忠誠心が強いと言われており、人事担当者たちも採用の際、「男性はそんなにすぐには辞めないだろう」という見方をすることが多いようである。

一方、女性も男性に劣らず忠誠心が強く、同じ仕事をさせた場合、男性より女性の方が優秀だったという意見さえある。ただし、組織や仕事における社会的規範に縛られない自由な考え方を持っているところが、男性にはあまり見られない点だ。
その自由さゆえ、企業側も出産・育児中も仕事を継続できるような制度を整えながらも、「結婚や出産・育児で女性はすぐに会社を辞める」という固定観念をぬぐえずにいる。

■働きたい!女子社員

確かに女性の中には、「今は育児に専念したい!」と仕事を辞める人もいるが、「仕事が大好きでどんなことがあっても続けたい!」という女性もいる。
そういった女性は優秀かつ仕事熱心であり、企業にとっても嬉しい存在なことが多い。
しかし、「女性はすぐに辞めてしまう」という固定観念から、キャリアの道が閉ざされていたり、仕事の裁量を得られなかったりと、「働きたい!」という気持ちが報われないことも多いのだ。

■優秀な女子社員が辞めていく本当の理由

そうして報われなかった女子社員は、退職や転職という道をたどっていき、「やはり、女性はすぐに辞めてしまう」という結果だけを企業側に残してしまうことになる。
多くの企業が女性活用推進を掲げながら、思うような成果を得られないのは、彼女たちが辞めていった本当の理由に向き合ってこなかったからではないだろうか。

女性は男性に劣らず忠誠心が強いと書いたが、それは組織よりも「仕事」そのもの、特に「自分の上司」に対する忠誠心と言える。
例えば、

・昇進の中心は男性社員である
・男性社員の発言力の方が強い
・会社が男性社員の育成に力を入れている

というように、男性中心に作り上げられてきた会社の文化や、男性上司への違和感に気付いたとき、彼女たちは辞めるという選択肢を選ぶのだ。

■本当の理由に合った対策が必要

このような理由は企業側にとっては認めがたいことだが、この事実を受け止めない限り、女性の活躍推進や企業の成長は叶わない。

2015年12月から義務化されるストレスチェックでは、周囲や上司に対する精神的負担についても計測することができる。
今回は女性に焦点を絞ったが、男女ともに優秀な人材の流出を防ぐためにも、こうしたチェック制度を用いて事前に対策を打てると良いだろう。