• よくあるご質問
  • 用語集

さ行

作業環境管理(さぎょうかんきょうかんり)

作業環境管理は、作業環境中の種々の有害要因を取り除いて適正な作業環境を確保するもので、職場における労働者の健康障害を防止するための根本的な対策の一つ。たとえば、作業環境測定とその結果の評価を行い、その評価結果から局所排気装置など各種の設備の改善や適正な整備を行い、作業環境を適正に維持すること。

作業管理(さぎょうかんり)

有害な物質やエネルギーが人に及ぼす影響は、作業の内容や作業の方法によっても異なるが、これらの要因を適切に管理して、労働者への影響を少なくすることが作業管理。たとえば、作業に伴う有害要因の発生を防止・抑制したり、ばく露が少なくなるように作業の手順や方法を定めたり、作業方法の変更などにより作業の負荷や姿勢などによる身体への悪影響を減少させたり、保護具を適正に用い、暴露を少なくすることなどがある。

産業医(さんぎょうい)

産業医とは、労働者の健康を保持するため労働者の作業環境や作業管理、健康管理に関して専門的立場から助言・指導を行う医師のことを示す。産業医は労働安全衛生法に基づき常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任する事業者の義務がある。

産業保健スタッフ(さんぎょうほけんすたっふ)

事業場内の産業保健スタッフとは産業医等、衛生管理者等、保健師等あるいは心の健康づくり専門スタッフなどを指し、人事労務管理スタッフや事業場外資源などと連携して、メンタルヘルスケアに取り組みます。産業医と衛生管理者は労働者数50人以上の事業場で選任が義務付けられている。保健師等は選任義務はないが、身近な専門職として重要。

産褥期うつ病(さんじょくきうつびょう)

産褥期とは分娩後、母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間をさし、通常6~8週までの期間をいう。この期間にはうつ病を発症しやすく、産後うつ病とも呼ばれます。急激な身体的変化、ホルモンの変化のみならず育児といった心理社会的変化も同時に起こるため、時に自殺や無理心中などのおそれもあるので注意を要する。育児を抱え込ませない社会的サポートが重要。

三次予防(さんじよぼう)

すでに疾病が発病し、疾病として完成した後に、リハビリテーションや再発防止をすることで、社会復帰できる機能を回復させ、またそれを維持することをいう。

GHQ(じーえっちきゅー)

The General Health Questionnaireの略称。精神健康調査票の1つ。心身の健康状態を“精神健康度”から評価する自己記入式の質問紙で神経症を早期に発見するための質問紙として国際的に広く使用され,その有効性が実証されている。60項目から構成される原版の他に,いくつかの短縮版が開発され,短縮版では,身体的症状や不安,不眠,社会的活動の障害,うつ傾向といった下位分類が用意され,多面的に“精神健康度”を検討できる。

ジェンダー ハラスメント(じぇんだー はらすめんと)

自己の性によるステレオタイプな性差別を行なわれること。多くの場合イメージ的な理由から行われるためする側は差別をしている意識がない。「男性だから仕事は義務」・「女性だから家事育児は義務」といった考えから性差別が行われることが多い。

時間外労働(じかんがいろうどう)

労働基準法等において、法定労働時間を超える労働のことをいう。同じ意味の言葉に、残業(ざんぎょう)、超過勤務(ちょうかきんむ)、超勤(ちょうきん)がある。

事業者(じぎょうしゃ)

「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいい、「事業」とは、同種の行為を反復、継続、独立して行うことをいう。 個人事業者の場合、例えば、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人はすべて事業者になる。さらに、医師、弁護士、公認会計士、税理士などの人も事業者になる。 株式会社などの会社、国、都道府県や市町村、公共法人、宗教法人や医療法人などの公益法人など、法人はすべて事業者になる。なお、法人でない社団又は財団で、代表者又は管理人の定めがあるものは、法人とみなされることにより事業者となる。

事業場(じぎょうじょう)

事業を行っている場所のこと。会社全体のことではなく、本社のほかに営業所が1つあれば事業場は2つになる。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア(じぎょうじょうないさんぎょうほけんすたっふとうによるけあ)

事業場内産業保健スタッフ等が、労働者や管理監督者に対する支援を行い、具体的なメンタルヘルスケアの実施に関する企画立案、メンタルヘルスに関する個人の健康情報の取り扱い、事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口となること等、心の健康づくり計画の実施にあたり中心的な役割を果たすこと。事業場内産業保健スタッフとは産業医や衛生管理者、保健師、心の健康づくり専門スタッフなどを指す。

事業場外資源によるケア(じぎょうばがいしげんによるけあ)

メンタルヘルスケアを行う上で、事業場が抱える問題や求めるサービスに応じて、メンタルヘルスケアに関し専門的な知識を有する各種の事業場外資源を活用することをいう。労働者が相談内容等を事業場に知られることを望まないような場合にも、事業場外資源を活用することが効果的。事業場外資源とは事業場外の医療機関や地域保健機関、従業員支援プログラム(EAP)機関などのことを指す。

仕事のストレス判定図(しごとのすとれすはんていず)

仕事のストレス判定図は、職業性ストレス簡易調査票の一部の項目(12項目)を利用して作成したもの。仕事の量的負荷、仕事のコントロール、上司・同僚の支援などの調査結果から、職場ごとの健康リスクを判断することができる。職場環境の改善を通じたストレス対策に役に立つ。

仕事要求度-コントロールモデル(しごとようきゅうど-こんとろーるもでる)

仕事のストレスを説明する理論の1つ。仕事の要求度(仕事量や責任)が大きく、それに比べて仕事のコントロール(自由度や裁量権)が低い場合にストレスが生じやすいとされている。

自助グループ(じじょぐるーぷ)

同じような病気や体験を抱えて悩み苦しんでいる人たち自身やその家族同士が連帯することで、互いに支え合うグループのこと。断酒会やA.A(Alcoholic Anonymousアルコール依存症者匿名協会)などは、その典型例で、アルコール依存症を患う人々の職場復帰・社会復帰の大きな支えとなるもの。家族(遺族)の例としては、犯罪被害者家族の会や、自殺者の家族が支え合う自死遺族のつどいなどがある。

実施事務従事者(じっしじむじゅうじしゃ)

実施者の補助をする者。質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取り扱う業務を担当する。外部委託も可能。

実施者(じっししゃ)

ストレスチェックを実施する者。医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士の中から選ぶ必要がある。外部委託も可能。

質問票(しつもんひょう)

ストレスチェックにおいては、職業性ストレス簡易調査票のこと。

嗜癖(しへき)

ある特定の物質・行動過程・人間関係を、特に好む性向をいう。酒やタバコの物質嗜癖、パチンコやショッピングの過程嗜癖、家族や恋人と生じる関係嗜癖などがある。

社会的再適応評定尺度(しゃかいてきさいてきおうひょうていしゃくど)

アメリカのホームズ(Holmes,TH)らが開発したストレス測定法の1つ。ライフイベント(生活の出来事)法と呼ばれ、結婚に対するストレス度を50点とし,それを基準に0~100点の範囲で、ストレスに対して再適応に要するエネルギー量を評価する。すなわち点数でストレスの程度を示す。厚生労働省の「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」の心理的負荷の強度基準(強度、中程度、軽度)の根拠の一つとして使われている。

社会不安障害(しゃかいふあんしょうがい)

不安とは、明確な対象を持たない恐怖の事を差する。社会不安障害(social anxiety disorder、SAD)は、社会や人前で嫌な思いをしたり、他人に辱められることに対する不安が強く、行動などに障害を及ぼすもの。

就業規則(しゅうぎょうきそく)

それぞれの事業場における労働条件を定めた規則で、10名以上の労働者を雇用する事業場では、就業規則を作成し、労働者代表の意見を聴取したうえで、労働基準監督署に届け出る必要がある。規則には、始業、就業の時刻や休憩時間、休日、休暇、賃金、賞与、退職(解雇事由を含む)などについて書かれている。

就業上の措置(しゅうぎょうじょうのそち)

労働者の実情を考慮し、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を行うこと。

就業制限(しゅうぎょうせいげん)

労働者の安全と健康ならびに福祉が阻害されるのを防止するため,危険または有害な業務への就業に関する制限。労働基準法のほか船員法,児童福祉法などに規定されているが,おもなものは,免許または一定の技能や資格を必要とする業務に無免許者,無資格者を就業させてはならないことが定められている (労働安全衛生法 61) ,年少労働者および女子 (特に妊産婦) については,深夜業,危険有害業務,坑内労働などについて就業制限が定められている (労働基準法 56~68) 。

集団分析(しゅうだんぶんせき)

職場の一定規模の集団(部、課など)ごとのストレス状況を分析し、 その結果を踏まえて職場環境を改善することが事業者の努力義務になる予定。

主治医と産業医の連携(しゅじいとさんぎょういのれんけい)

心の健康問題を有する労働者を治療する主治医と主治医の判断に基づいて就業上の措置に関する意見を事業者へ述べる産業医が、お互いに医学的な情報を交感し、密に連携することによって労働者がその病状を悪化させることなく、円滑な業務の遂行を支援することが可能となる。主治医からの不十分な情報や不適切な復職支援や就業上の措置に関する意見は、結果として労働者の不利益となり、さらに職場の生産性低下に直結することになる。

守秘義務(しゅひぎむ)

医師、保健師、看護師等の医療職は職務を通して他人の秘密を聞いてしまうことがあるので、刑法や身分法が正当な理由なくその秘密を漏らしてはならないことを罰則付きで規定している。医療職以外でも職場で実施される健康診断に関係した者には、労働安全衛生法が同様に規定している。なお、個人情報保護法は、生命、身体の保護や公衆衛生の向上等に必要な場合で本人の同意取得が困難なときは、目的外利用や第三者提供を認めている。

小規模事業場(しょうきぼじぎょうじょう)

従業員が49人以下の事業場のこと。

昇進うつ病(しょうしんうつびょう)

正式な医学病名ではなく、昇進に伴う環境の変化により誘発されたうつ病をいう。嫌なストレスがうつ病に結びつきやすいというのはイメージしやすいが、本来喜ばしいこともうつ病のきっかけとなり得る。昇進は出世と同時に職場での責任や役割の変化を伴いる。最近は責任が重くなるので出世を拒む人も見られる。

傷病手当(しょうびょうてあて)

疾病や負傷による休業・休職中に被保険者(従業員)とその家族の生活を保障するために設けられた制度。

職位変更(しょくいへんこう)

上の役職と同様の意味と、割り当てられる仕事、つまり職務を変更すること。

職業性ストレス簡易調査票(しょくぎょうせいすとれすかんいちょうさひょう)

職業性ストレス簡易調査票は、職場で簡便に使用できる自己記入式のストレス調査票。仕事のストレス要因、ストレス反応、修飾要因の3つで構成されている。仕事のストレス要因では、仕事の量的負担、質的負担、身体的負担、コントロール、対人関係によるストレスなどが、ストレス反応としては、抑うつ、イライラ感、疲労感、活気、身体愁訴などが評価できる。あらゆる業種の職場で使用でき項目数は57と少なく約10分で回答が可能。

嘱託産業医(しょくたくさんぎょうい)

産業医の選任形態のひとつで、専属産業医以外で非常勤で勤務する産業医のことをいう。常時50人以上かつ999人以下の労働者を使用する事業場の産業医のほとんどが嘱託産業医としての選任であり、開業医や勤務医が診療業務の傍ら産業医業務を担ってる。

職場環境改善(しょくばかんきょうかいぜん)

職場環境とは、職場における化学的・物理的な有害要因のみではなく、職場のストレス、労働条件、休憩室などの設備等の働く人を取り巻く全ての事象を指す。この職場環境を改善することは、労働安全衛生法の目的の一つである「快適な職場環境形成促進」につながる。

職場巡視(しょくばじゅんし)

職場巡視とは、作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態が働く人に有害な影響を及ぼすおそれがないか確認して行く行為で、労働安全衛生規則では、衛生管理者には週に1回、産業医には月に1回の実施が義務付けられている。無論、有害な影響を及ぼすおそれがある場合、健康障害を防止するために必要な措置を講じる必要がある。

職場ストレス(しょくばすとれす)

職場で生じるストレスの総称。係長や課長などへの昇進、支店から本社への抜擢、通常の転勤、仕事の内容の変化、同じ部内での配置換え、上司や同僚、部下との対人関係葛藤、リストラ、単身赴任など多彩なものがある。適応障害や職場不適応症の発症要因の1つになっている。明らかに職務適性がない場合やパワーハラスメント、セクシヤルハラスメントなどのケースに対して、治療的配置転換(原則1回限り)は有効。

職場復帰(しょくばふっき)

心の健康問題により休業している労働者が増加しているとする調査結果や休業後の職場復帰支援がスムーズに進まないという近年の調査結果等もあり、職場復帰支援に関する社会的関心が高まっている。事業場向けマニュアルとして、平成16年に厚生労働省により「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が作成され、平成21年には改訂が行われ、それが利用できるようになっている。

職場復帰支援プログラム(しょくばふっきしえんぷろぐらむ)

メンタルヘルス不調による長期休業者の職場復帰は簡単ではなく、再発や離職もなく少なくない。長期休業者のスムースな職場復帰は本人のみならず企業や職場にとっても重要な課題になっている。しかし、人材確保とスムースな職場復帰を可能にするため、多くの企業で職場復帰支援プログラムが用意されている。主治医と産業医の意見をもとにして、管理監督者、人事労務担当者、産業保健スタッフなどが、職場環境や作業の内容、作業時間などの調整をしたり、健康面のケアをしたりして、職場復帰を総合的に支援するためのもの。

職場不適応(しょくばふてきおう)

職場ストレスと個人要因の関連性から発症し就業への不安や恐怖、緊張、焦燥症状を呈し、うつ気分や意欲の低下も認められる。職場不適応には以下の4つの意味がある。すなわち 1. 軽い不適応状態を示す場合 2. 職場不適応症を指す使い方 3. 職場ストレスと個人要因の関連性を示している場合 4. 状態を示す使い方 1-4のどれに該当するかを知ってほしい。

自律訓練法(じりつくんれんほう)

注意の集中、自己暗示の練習により、全身の緊張を解き、心身の状態を自分でうまく調整できるようにした段階的訓練法。 具体的方法は、(1)目を閉じて、上を向いてゆっくりと体を横たえる。(2)気持ちが落ちついているという、決められた暗示の言葉を頭の中でくりかえす。(3)さりげない集中(受動的注意集中)を行い、段階的に練習していく。  この方法は広く、心身症、神経症、などの治療の他に、ストレス解消や健康増進を目的に行われている。

自立支援医療(じりつしえんいりょう)

公費負担医療のひとつ。精神疾患(てんかんを含む)の治療のため通院による精神医療を継続的に要する病状にある者に対して医療費の自己負担を軽減するものである。

自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)

一般内科で不定な症状を訴え、それに見合った所見の得られない病態に対して用いられている用語。  神経症型、心身症型、本態性自律神経失調症、それに抑うつ型にわけて治療する。身体症状として、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸など、それに種々の臓器の機能障害をきたし、心理的ストレスにより症状が変動もしくは増悪をきたしやすい特徴がある。  治療は心身両面から行い、生活指導として健康習慣を身につけ、心身のリラックスを図ります。精神安定剤などの薬物療法などがある。また自律訓練法も改善に役立つ。

事例性(じれいせい)

職場関係者や家族はメンタルヘルスの専門家ではないので、メンタルな問題を感じた際には事例性と疾病性との2つに分けて把握すると理解しやすいだろう。事例性とは業務を推進するうえで困る具体的事実で、「就業規則を守らない」「仕事の能率が低下している」「同僚とのトラブルが多い」など関係者はその変化にすぐに気がつくことができる。一方、疾病性とは症状や病名などに関することで、「幻聴がある」「統合失調症が疑われる」など専門家が判断する分野。職場での問題把握の第一歩は、病気の確定(疾病性)以上に、業務上何が問題になって困っているか(事例性)を優先する視点が求められる。

心気症(しんきしょう)

神経症もしくは身体表現性障害の一種。心身の些細な不調にとらわれ、検査などによっても所見が得られず、医学的な保証によっても納得できず、重大な病気の兆候ではないかと恐れ、執拗に訴える状態。

神経科(しんけいか)

神経疾患を扱う専門分野。脳と脊髄などの中枢神経系、末梢神経系、自律神経系、それに筋肉系などの神経疾患を扱いる。神経科では中枢神経系の障害による身体や神経の麻痺、知覚障害、筋萎縮、歩行や言語障害などを扱うのに対して、精神神経科では思考や感情などの精神面や行動面を人間関係や社会との関連で扱いる。

神経症(しんけいしょう)

心理的要因による精神の機能障害が、脳や神経の解剖学的変化はなく、特有な症状群ないし状態像をもち、精神病、心身症、性格障害などを除外したものをいう。  代表的なものには、不安神経症、心気症、神経衰弱、ヒステリ-、抑うつ神経症、強迫神経症、恐怖症、離人神経症などがある。

神経伝達物質(しんけいでんたつぶっしつ)

神経細胞から他の細胞への情報伝達は、そのほとんどが化学物質により行われており、神経伝達物質とよばれている。神経伝達物質と推定されている脳内活性物質には、アセチルコリンのほかに、セロトニン、ド-パミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどがある。精神神経疾患との関連では、統合失調症や躁うつ病、それにパ-キンソン病やアルツハイマ-型老年認知症などとの関連が研究されている。うつ病は脳内のセロトニンやノルアドレナリンの不足が想定されている。

神経内科(しんけいないか)

神経疾患を扱う専門分野。脳と脊髄などの中枢神経系、末梢神経系、自律神経系、それに筋肉系などの神経疾患を扱いる。中枢神経系の障害による身体や神経の麻痺、知覚障害、筋萎縮、歩行や言語障害などを治療対象とする。

新健康フロンティア戦略(しんけんこうふろんてぃあせんりゃく)

国民の健康寿命の延伸に向け、予防を重視した健康づくりを国民運動として展開するとともに、病気を患った人や障害のある人も持っている能力をフルに活用して充実した人生を送ることができるよう、技術と提供体制の両面から支援することを目的につくられた国策。新健康フロンティア戦略賢人会議(平成19年4月)にて策定され、新健康フロンティア戦略アクションプランで具体的な取り組みについて施策を掲げている。

人事権者(じんじけんしゃ)

採用、配置、異動、人事考課、昇給、休職、解雇など、企業組織における労働者の地位の変動や処遇に関する使用者の決定権限を持っている者。

人事労務管理スタッフ(じんじろうむかんりすたっふ)

企業の経営資源には、労働力、生産手段及び資本の3つ要素から成り立っている。このうち労働力を対象とする管理活動を人事労務管理と言い、具体的には、雇用管理(採用、人材配置、人事考課)、雇用条件(労働期間や賃金)の管理、人材教育、福利厚生、組合対策などを行うことで、これらの業務を行う人々を人事労務管理スタッフと呼ぶ。

心身症(しんしんしょう)

体の病気が、その発症要因や慢性化にストレスが関与している病気の総称で、病名ではない。心療内科医による診断や治療が中心になる。胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎、本態性高血圧症、神経性狭心症(狭心症)、過呼吸症候群、気管支喘息、甲状腺機能亢進症、摂食障害、メニエ-ル症候群、更年期障害が代表的なもの。治療は身体疾病の治療、心身相関のメカニズムへの気づき、ストレスへの対応などが中心になる。

身体表現性障害(しんたいひょうげんせいしょうがい)

従来は神経症の概念に含まれていたが、国際的な診断基準であるDSM-Ⅳ-TRやICD-10では、ひとつの診断カテゴリーとして採用されている。身体の病気がないのに、身体の症状が出るのが特徴。例えば、歯は健康なのに歯が痛む、足腰は問題ないのに立てない、歩けない、声帯には問題ないのに声が出ない、など。身体の症状を極端に気にして、何か重大な病気に罹ったと思い込む心気症も、このカテゴリーに含まれる。

深夜業(しんやぎょう)

午後10時から午前5時までの業務のことをいう。労働基準法により満18歳未満の年少者や妊産婦を深夜業に就業させることが禁止されており、また、従事者に対する割増賃金の支払いが義務付けられている。労働安全衛生法により特定業務の一つとして深夜業従事者の健康診断(年2回)や一定要件を満たす労働者の自発的健康診断などが定められている。

心理検査(しんりけんさ)

心身の健康状態や認知・思考(受け止め方や考え方など),行動・性格傾向など,対面するだけでは分かりにくい様々な心理状態・傾向について,インタビューや自己記入式の質問紙などを用いて精査すること。心理検査により,適切な治療や支援のための情報を整理し,結果を被検者に説明することで,自己理解を深めることができる。一方で、心理検査のみで病気などの診断を下すためのものではない。

心理相談担当者(しんりそうだんたんとうしゃ)

働く人の心とからだの健康づくりを推進するため、事業者の努力義務として昭和63年からTHP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)が展開されている。このなかで、産業医の指示のもとに必要な対象者にメンタルヘルスケアを提供するのが心理相談担当者。心理相談を通して、ストレスに対する気付きの援助、リラクゼーションの指導等を行いる。受講資格者が中央災害防止協会主催の研修を受講して担当者になることができる。

心療内科(しんりょうないか)

身体疾患を身体的側面だけでなく、心理面、社会面をも含めて総合的にみてこうとする診療分野。扱う代表的なものに、気管支喘息、ストレス性心疾患や胃潰瘍、アトピ-性皮膚炎などがある。

心理療法(サイコセラピー)(しんりりょうほう(さいこせらぴー))

主に対話を通して専門家によって行われる心理的問題の解決を図る方法。カウンセリングと同じ意味で使われることが多いが、カウンセリングよりも治療的な意味合いが強くなる。精神療法ともいうが、心理士が行う場合は特に心理療法ということが多いよう。

睡眠覚醒リズム障害(すいみんかくせいりずむしょうがい)

ヒトの体内時計の周期は約25時間で、私たちは毎日これを24時間に調整して生活している。睡眠・覚醒のリズムがうまく調整できなくなった状態を概日リズム障害といい、海外出張(時差ぼけとなる)や、交替勤務でも起こります。他に、就寝と起床がどんどん後ろにずれ込む睡眠相後退症候群があり、職場ではだらしない朝寝坊の遅刻魔と見なされがち。このタイプの治療には、明るい光の照射や、ビタミンB12などが用いられる。

睡眠教育(すいみんきょういく)

睡眠は一定時間唯寝ていれば良いというものではなく、質の良い睡眠をとる必要がある。睡眠のメカニズムや快眠法などに対する正しい知識を持ち、生活習慣を工夫することが重要であり、そのための教育を睡眠教育という。発育途上で睡眠が重要な課題である学校や、仕事が忙しく睡眠が規則正しく取れない職場において実施されている。

睡眠障害(すいみんしょうがい)

日本人は、最近50年間で急速に、睡眠時間減少、かつ宵っ張りに傾いている。睡眠の問題を訴える労働者も増加中。睡眠障害にはさまざまな種類があり、単純な不眠のほか、日中に強い眠気を呈する「睡眠時無呼吸症候群」や「ナルコレプシー」、交替制勤務や海外出張などに伴う「睡眠覚醒リズム障害」、さらに、睡眠時随伴症として、寝ていると脚がむずむずして眠れなくなる、高齢者に多い「脚むずむず症候群」などがある。

睡眠薬(すいみんやく)

寝つけない、途中何度も目が覚める、朝早くに目が覚める、深く眠れない、これらを不眠と呼ぶが、睡眠薬には作用時間の長さなどによって4つのタイプがあり、症状に合わせて処方される。何を飲むにしても、計画的に減らすにしても医師の指示を正しく守ること、話し合うことが必要が、副作用や止められなくなることへの必要以上の心配はいりません。寝る前の飲酒は良好な睡眠の妨げになるだけ。

ストレス(すとれす)

ストレスとは、もともと金属学で用いられていた言葉で、歪み(ゆがみ、ひずみ)のこと。ストレスは、ストレス刺激となるもの(ストレッサー)と、ストレス刺激を受けて生体に歪みが生じた状態(ストレス反応)とに分けて考えることができる。元来は後者のみをストレスと称していたが、現代ではストレス刺激となるものを指してストレスという場合もあるし、ストレス反応とあわせて全体を称してストレスという場合もある。

ストレス・コーピング(すとれす・こーぴんぐ)

「コーピング」は「対処する」「切り抜ける」という意味を持つ。 ストレスコーピングとは、特定のストレスフルな問題や状況に対するストレス対処方法のことで、問題解決型(状況を変化させる、問題を明確にする、別の解決方法を見つけてそれをあわせて評価する)と情動焦点型(問題に対する情動的な反応をコントロールしたり変化させたりする、逃避したり最小化したりする、情動的な苦痛の軽減を目指す)がある。

ストレス関連疾患(すとれすかんれんしっかん)

心理的・社会的ストレスから生じる病気や、ストレスによって経過が悪くなると考えられる病気をストレス関連疾患と呼ぶ。胃・十二指腸潰瘍、本態性高血圧症、過換気症候群、片頭痛、心臓神経症、神経症、自律神経失調症その他多くの疾患がある。

ストレスコントロール(すとれすこんとろーる)

生活上のストレッサーを認識し、ストレスの影響を知り、ストレスレベルをコントロールすることをストレスコントロールという。これによって、ストレッサーに適切に対処し、リラックスすることができるようになる。

ストレス脆弱性(すとれすぜいじゃくせい)

その人の生まれ持った素質(先天的な要素)と学習・訓練などによる生まれてからの能力やストレスへの対応力(後天的な要素)などに関連してその人が持っている病気のなりやすさを意味する。

ストレス耐性(すとれすたいせい)

ストレスに対する抵抗力のことで、次のような要素がある。 ストレスに気づくか気づかないかという「感知能力」、ストレスを作りやすい性格かどうかという「回避能力」、ストレッサーをなくしたり、弱めたりする「根本の処理能力」、ストレス状態に陥ったとき、そのストレスの意味を良い方向に捉え直すことができる「転換能力」、ストレスそのものの「経験」、ストレスをどのくらいためていられるかという「容量」。

ストレスチェック(すとれすちぇっく)

平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設された。 今回新たに導入されるストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減 させるとともに、検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因そのものも低減させるものであり、さらにその中で、メンタルヘルス不調のリスクの高い者を早期に発見し、 医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止する取組。(平成27年12月1日施行)

ストレス反応(すとれすはんのう)

外からの刺激を受けて引き起こされる様々な反応で、抑うつ、不安、職務不満足感などの心理的反応、血圧上昇や心拍数増加などの生理的反応、過食や過飲、喫煙や薬物使用、事故などの行動面での反応がある。

ストレスマネジメント(すとれすまねじめんと)

ストレッサーを取り除いたり、ストレスを大きくしないための工夫や、ストレスによって生じている緊張状態やストレス反応の緩和など、ストレス生成のあらゆるプロセスに包括的に働きかけることを言う。

ストレス要因(すとれすよういん)

ストレス要因とは、一般的にストレッサーとなる可能性のあるものを指す。それが実際に各個人のストレッサーとなるかは、各個人の性格や状況により異なってくる。

ストレッサー(すとれっさー)

ストレス反応を起こす外部環境からの刺激をストレッサーと呼ぶ。  ストレッサーは、物理的ストレッサー(寒冷、騒音等)、化学的ストレッサー(酸素、薬物等)、生物的ストレッサー(炎症、感染等)、心理的社会的ストレッサー(人間関係の葛藤や社会的行動に伴う責任、将来に対する不安等)に分類される。

スメル ハラスメント(すめる はらすめんと)

キツい匂いの香水や場に相応しくない香り、異様な体臭などスメル(匂い)による周りに不快感を与えることの総称。好き嫌いが別れる匂いが主体なため知らず知らずに不快な思いを与えている場合がある。

スモーク ハラスメント(すもーく はらすめんと)

スモハラともいう。一般的に空間を共有する場において自己の意志に反してタバコ等の煙を吸わなければいけない状況に追い込むこと。多くの場合喫煙者と非喫煙者間でトラブルになる。受動喫煙を避けられない為身体的なダメージを多く受け、生命活動を害する場合もある。また喫煙者の家庭内でも同様に該当する。

3A(absenteeism、alcohol、accident)(すりーえー(あぶせんてぃーいずむ、あるこーる、あくしでんと))

メンタルヘルス不調は血液検査などで明らかな異常値がでるわけでもないため、早期発見は困難と思われている。しかし、Absenteeism Accident、すなわち勤怠状況の変化、飲酒問題、様々な事故の発生に注目することにより、メンタルヘルス不調を早期に発見できるとされ、頭文字をとって「三つのA(3A)」と言われている。

成果主義(せいかしゅぎ)

昇進・昇給の基準を「仕事の成果」におく人事評価制度のことをいう。年齢や勤続年数に応じて報酬が増えていく年功賃金制に代わり、各労働者が達成した成果に応じて報酬を支払うことで年齢や階級によらない思い切った処遇ができるようにし、労働者の意欲を向上させることを目的としている。短期的な視野に立った仕事振りが目立つなどのデメリットにも注目されつつある。

正規雇用(せいきこよう)

特定の企業や官公庁(使用者)と雇用者との継続的な雇用関係において、雇用者が使用者の元でフルタイム(常勤)で従業して永久的(定年制なし)または定年まで雇用期間を定めない雇用形態を指す。法律上は通常の労働者(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)と呼称される。

精神科専門医(せいしんかせんもんい)

精神科専門医とは、社団日本精神神経学会の精神科専門医制度によって精神科医療に関する学識および経験を有する医師として認定された者。

精神障害(せいしんしょうがい)

精神に異常のみられる状態。脳の器質的変化や機能的障害によって、さまざまな精神・身体症状や行動の変化が現れる状態。 [補説]精神病・神経症・統合失調症・妄想性障害・気分障害などの精神疾患や、精神に作用する物質による急性中毒や依存症、精神遅滞、人格・行動・心理的発達・情緒などの障害が含まれる。医学・福祉・法律など用語が使用される分野によって意味・内容が異なる場合がある。

精神分析(せいしんぶんせき)

フロイトによって創設されたもので、神経症やパーソナリティー障害などのケースに対し、自由連想法を用いて行う系統的精神療法の1つ。精神分析医や分析家によって行われます。発祥の地であるヨーロッパよりアメリカで最も普及している。自分で知ることができない無意識(深層心理)の世界と現実的、かつ理性的に働く「自我」や親から受け継いだ「超自我」の相互作用、特に無意識の世界の内容を受診者に意識化させるのがポイントとなる。

精神保健指定医(せいしんほけんしていい)

精神保健指定医は、厚生労働大臣が指定する特別の国家資格に準ずる法的資格制度(精神保健福祉法第18条)であり、医学の各分野に学会等が設けている専門医制度とは異なる。その職務は、措置入院や医療保護入院、隔離や身体拘束など行動制限の判定等がある。

精神保健福祉士(せいしんほけんふくしし)

精神保健福祉士は、精神科病院そのほかの医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練そのほかの援助を行いる。 精神保健福祉士法に基づく名称独占の資格であり、資格を有する方は、精神保健福祉士の名称を用いてこれらの業務を行うことができる。

精神療法(せいしんりょうほう)

薬物を用いた薬物療法や身体に物理的に働きかける身体療法などに対し、精神療法は治療者が心理的な手段を用いて患者の心身に働きかける療法。カウンセリング等の簡易精神療法、行動をよりよい方向に改善していく行動療法、患者の誤ったものの見方を改める認知療法、こころの奥底を分析していく精神分析療法、集団精神療法、自律訓練法、箱庭療法、遊戯療法、森田療法等がある。

セカンド ハラスメント(せかんど はらすめんと)

セクシャルハラスメントの解決による被害の訴えを起因とする二次的被害のこと。閉鎖環境下で起こりやすく、問題解決が難しい。

セカンド・オピニオン(せかんど・おぴにおん)

治療は主治医(かかりつけ医)と患者さんの間でなされる。しかし主治医の判断が絶対ではないし、患者さんにとって主治医の見立てなどに不安が生じやすい傾向がある。そこで患者さんが主治医以外の専門家に相談や受診し、その診断や治療、経過、予後などについて判断や意見を求めます。このようにして得られる主治医以外の専門家による一般的な意見をセカンドオピニオンという。アメリカで癌の診断や治療に関して使われた方法であり、精神科や心療内科でも使われている。

セクシャル ハラスメント(せくしゃる はらすめんと)

セクハラともいう。自身の性に対しての嫌がらせ、又は個人・集団を問わないいじめのこと。性的嫌がらせ。○○ハラスメントという言葉が一般的になった元であり、日常生活において遭遇する事の多いハラスメントの1つ。基本的に異性間・同性間に関わらず受けた側の意志に反した状態に追いやることを指すため、知らず知らずに自身が与えてしまうこともある。

CES-D(せすでー)

このスケールは米国国立精神保健研究所の疫学研究センターが一般集団におけるうつ病の疫学研究用に開発した20項目の自己評価尺度。1週間の症状の頻度を4段階で尋ねている。各回答には0点から3点の得点が与えられ、総得点が0点~60点で示される。開発者らはカットオフ値を16点以上とし、得点が高い場合は抑うつ状態を疑いる。日本語版(島悟)があり、正常対照群、感情障害群、神経症群、精神病群を対象に臨床的有用性が検討されている。

積極的傾聴法(アクティブ・リスニング)(せっきょくてきけいちょうほう(あくてぃぶ・りすにんぐ))

心理相談の技法の一つ。メンタルヘルス対策のなかでも相談しやすい体制づくりとともに、重要視されている。来談者の話を受容し共感しながら聴き、本人の表現する言葉の本当の意味をとらえ、真の問題を理解しようとすることが重要となる。

摂食障害(せっしょくしょうがい)

強い肥満恐怖からダイエットに走る拒食症と、むちゃ食いで特徴づけられる過食症。摂食障害にはこの2種類が挙げられ、両方とも女性が圧倒的多数。最近数十年間に激増しており、特に過食症に著しい増加がみられる。従来は若い女性の病気とされてきたが、最近では、小学生から結婚後の年齢層まで広がり、職場でも増加している。拒食症から過食症への移行もよく見られる。

セルフエスティーム(せるふえすてぃーむ)

自尊感情ともいい、自分自身を価値あるものとして尊重する感覚をいう。基本的な価値を実感することにより、自分自身を信頼し、様々な事柄に前向きに取り組む意欲や満足感につながる。このような自己の尊重は、自分自身だけでなく、周囲の人々のありのままを受け入れる上でも重要となり、環境への適応や精神的健康と密接に関連している。

セルフエフィカシー(せるふえふぃかしー)

自己効力感ともいい、自分が周囲の期待や要請に対して、十分に対応できているという確信・自信をいう。自らの意志で、主体的に行動しているという確信のもとに得られる感覚であり、その後の目標設定や自身の行為の結果の見通しに影響を与えます。自己効力感は、目標を達成するための努力を促し、結果的に成功の可能性を高め、自分自身の生き方を肯定的にとらえるためにも重要な要素として位置づけられる。

セルフケア(せるふけあ)

(健康について)自分で自分自身の面倒を見ること。自己療法。

専属産業医(せんぞくさんぎょうい)

専属産業医とは本務としての仕事が産業医であり、一つの当該事業場のみに属している者をいう。労働安全衛生規則により、常時1000人以上の労働者を使用する事業場および一定の有害業務(安衛則第13条第1項第2号に定める業務)に常時500人以上の労働者を従事させる事業場においては、専属産業医の選任が義務付けられている。

躁うつ病(そううつびょう)

双極性障害ともいう。躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患。躁状態の程度により大まかに双極Ⅰ型(顕著な躁状態)、双極Ⅱ型(軽躁)に分類される。いずれも気分が高揚し開放的で、頭の回転が良くなった感覚を覚え、思い立つと行動に移すのも早いなどの特徴がある。睡眠欲求が減少(寝てる時間が惜しい、寝なくても疲れない)するのも特徴的。職場では、軽躁状態では仕事の生産性が高まることがあるが、顕著な躁状態では、自尊心も肥大し、周囲と激しい口論をするなどトラブルを起こし、かえって仕事の生産性が落ちる。この時期は乱費、性的逸脱行為も増えやすい。躁状態のあとのうつ状態では自殺のリスクが高いため、積極的に専門家の治療を受けるべき。

総括安全衛生管理者(そうかつあんぜんえいせいかんりしゃ)

事業者は政令で定める規模の事業場ごとに、当該事業場の事業の実施を統括管理する者の中から、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。総括安全衛生管理者は、安全管理者・衛生管理者、安衛法第25条の2第2項に基づく技術的事項管理者を指揮するとともに、以下の業務を統括管理しなければならない。 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること 前各号に掲げるもののほか労働災害を防止するため必要な業務で厚生労働省令で定めるもの

双極性障害(そうきょくせいしょうがい)

この障害の基本障害は気分あるいは感情の変化であり、抑うつや高揚気分へと繰返し変化する。またほとんどに再発傾向があり、発症の多くはストレスとなる出来事や状況と関連する。躁的状態は平均4か月間、うつ的状態は平均6か月間とされている。

早朝覚醒(そうちょうかくせい)

睡眠障害の一つの形で、朝早く目覚め、再度眠ることができない状態をいう。老化現象の結果として起こる場合もあるが、ストレス過多でも出現する。特にうつ病では比較的早期からみられる症状でもある。朝の気分が憂鬱であれば、その可能性があるので注意が必要。

ソーシャル・スキル・トレーニング(そーしゃる・すきる・とれーにんぐ)

社会適応能力を改善することを目的に行う技法訓練。精神障害や人格障害の再発を防ぎ、社会適応や職場への復帰を円滑に進めるために、必要とする技術を訓練によって段階的に得ている。

ソーシャルサポート(そーしゃるさぽーと)

個人を取り巻く有形、無形の社会的支援のことをいう。特に、家族、友人、上司、同僚、部下など人的支援を意味することが多く、ソーシャルサポートが多くあることがストレス軽減につながると言われている。

ソーシャルメディア ハラスメント(そーしゃるめでぃあ はらすめんと)

ソーハラともいう。インターネット上のSNSに関連した職場関係による嫌がらせの行為。パワハラの一種。上位の者が下位の者へSNS上で絡み、本人の意志に反する「友達申請」や「フォロー」といったSNS活動を強要すること。またその結果による職場での嫌がらせや不当な扱い。

組織公平性(そしきこうへいせい)

1987年にGreenbergによって提唱された概念で、「自分の属している組織がどれほど公平であると感じるか」の尺度。手続き公平性、分配公平性、人間関係公平性などを含み、自分の評価(給料、昇進など)がどの程度公平に行われたと感じたか、自分を一人の人間として尊重してもらっているとどの程度感じたか等で評価する。

組織心理(そしきしんり)

社会的環境の中で、「人」と「環境」は相互に作用しあって行動を引き起こしている。組織心理では、個人が組織の中でどのように考え、どのように行動し、どのような態度を形成するかに焦点を当てます。

訴訟(そしょう)

うったえ出ること。裁判を申し立てること。特に、紛争・利害の対立を法律的に解決・調整するために、公権力(裁判権)により、利害関係人を訴訟当事者として関与させて審判する手続き。民事訴訟・刑事訴訟などの別がある。

措置入院(そちにゅういん)

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第29条に規定されている入院形態で、自傷他害(自殺や他者に危害を加えるなど)の恐れのある事例に対し、2名以上の精神保健指定医の診察結果の一致により成立する。一番強制力のあるもので、警察官通報によるもの(同法第24条)が多いよう。  なお、緊急避難的な制度として、72時間を限度に精神保健指定医1名による緊急措置入院がある。