企業経営に欠かせないとメンタルヘルス対策(前編)-国内事例

企業経営に欠かせないとメンタルヘルス対策(前編)-国内事例

ジャンル:労務管理

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最近では経済産業省が「健康経営銘柄」の認定に取り組むなど、健康づくりは企業経営と切り離せないほど重要なものとして注目されるようになりました。社員のメンタルヘルス対策としては、どのような方法が効果的なのでしょうか。前編では、国内事例をご紹介します。

“経営者が変わる”ことから始めるメンタルヘルス対策

社長をはじめ経営層の人たちがメンタル不調を「社員個人の問題」と考え、コストをかけることに消極的な企業ではメンタルヘルス対策が遅れがちです。しかし、今でこそ積極的に取り組んでいる企業でも当初は同じような状況だったということも少なくありません。経営層が企業経営の視点から社員の健康に目を向けるようになり、社長自らが対策を講じる意思表明をし、実践したことが社員の意識を変えるのに役立ったという意見が多いです。経営者の意識を変えるのはすぐにできることではありません。根気も必要です。たとえば、安全に重点が置かれがちな安全衛生委員会で衛生(メンタルヘルス対策やメンタル不調者など)に関する報告や議題を盛り込み、考える機会を増やすとよいでしょう。


部下の悩みを聴ける上司に!研修方法も工夫が大事

メンタルヘルス対策において、上司は部下の不調にできるだけ早く気づき、適切な対応によって重症化を防ぐことが期待されています。また、相談しやすい上司であれば部下が抱く仕事上の負担感も軽くて済む可能性もあるでしょう。そのため、研修を行う順番は一般社員向けのセルフケア研修より、管理監督者向けの研修を先に行う方が効果的です。研修方法は集団学習だけでなく、自分のペースで学習できるe-ラーニングなども選択肢にいれるとよいでしょう。e-ラーニングの教材は自社に合うようにカスタマイズできるタイプにしたり、事例の多い教材を選んだり少し工夫すると受講者の関心が高くなり、実践に役立つ研修になります。また、国内事例をみるとグループワークを取り入れ、他の人の悩みや意見、対処法などを共有する機会をつくっている企業もあります。


こころの健康診断!定期的なチェックで意識づけ

企業の中には、ストレスチェックの導入前からメンタルヘルス対策としてこころの健康度をチェックしているところもありました。定期的にチェックすることで不調者の早期発見につながり、社員の意識としてもこころの健康を「身近なテーマ」として考えられるようになったなどの変化があるようです。また、産業医が全社員の面接を行っている企業もあります。面接をすると、質問票だけではわからない社員の健康状態や生活の様子なども詳しく把握することができます。さらに、面接は社員に産業医を知ってもらう機会となり、その後の相談のしやすさにつながるのもメリットです。


専門家による支援も可能!外部EAPを上手に活用!

メンタルヘルス対策が進まないのは社内に専門家がいない、具体的な方法がわからないなどの理由があるようです。このような問題を解決するために労働者支援プログラム(EAP)などの外部機関のサービスを利用する企業が徐々に増えています。ストレスチェックを委託したり、職場改善について専門家の助言を受けたり、休職者のカウンセリングを依頼し復職につなげるなど利用するサービスはさまざまです。メンタルヘルス対策は時代とともに変化し、疾病予防を中心とした支援から、社員の生きがいや「健康と企業経営の連動」に視点を当てた「ヘルスアップ」へと変わりつつあります。自社に適した対策を講ずるには、EAPなどの外部機関にお任せではなく企業の担当者として積極的な姿勢も大切です。自社が外部機関を利用する目的を明確にし、外部機関の機能をよく理解した上で活用しましょう。