企業が従業員のメンタルヘルス対策を行うべき4つの理由

企業が従業員のメンタルヘルス対策を行うべき4つの理由

ジャンル:労務管理

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ストレスチェック制度」が義務付けされることをはじめ、企業内でのメンタルヘルス対策は大きな課題とされています。
従業員のメンタルヘルス対策は福利厚生の一部と考えられがちですが、企業活動のリスクを減らす意味でも重要となります。
従業員のメンタルヘルス不調は、企業にどういったリスクをもたらすのでしょうか?
企業がメンタルヘルス対策を行うべき主な理由を4つご紹介します。

理由1:労災・訴訟リスクの軽減

うつ病など精神障害の労災申請件数は、年々増加傾向にあります。
厚生労働省の集計によると、2014年度に精神障害を理由に労災申請した人は1,456人、うち労災認定を受けた人は497人となっており、いずれも過去最多を記録しています。
また、精神障害を起こした従業員が、「労務上の問題が理由である」として損害賠償請求などの訴訟を起こすケースも見られます。
こうした事態を回避するために、従業員のメンタルヘルス対策を行うのが大切なのです。

理由2:休職者コストの低減

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が2013年に行った「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」によれば、病気休職制度を利用した休職者の疾病別の内訳で、最も多かったのが「メンタルヘルス」でした。
メンタルヘルス不調などを理由に休職者が出た場合、休職前後に他の従業員が手伝う残業代や、休職中の本人への手当ての支給、周囲の業務調整や事務対応など大きなコストが発生します。内閣府が行った試算によれば、年収約600万円の従業員がメンタルヘルス不調を理由に6ヵ月間休職した場合に生じるコストはおよそ422万円と想定されています。
メンタルヘルス対策を行うことで、休職者コストの発生を抑える効果が期待できるのです。

理由3:人材流出リスクの軽減

前述の調査によると、過去3年間でメンタルヘルス不調を理由に休職後、復職せずに退職した人の割合は42.3%に上りました。
さらに、メンタルヘルス不調を理由に「休職期間中(もしくは復職直後)に退職した人」「休職を経て復職後、しばらく勤務した後に退職した人」「休職をせずに退職した人」の合計の割合は27.0%で、疾病別に見た退職理由で最も高いことがわかっています。メンタルヘルス不調を理由に退職する人は多く、高いスキルを持つ人材がメンタルヘルス不調を理由に退職してしまう可能性もあります。メンタルヘルス対策が優秀な人材の流出を防ぐことにもつながると言えるでしょう。

理由4:採用コストの低減


先述のように、メンタルヘルス不調は休職者や退職者を増加させる大きな要因となっています。
休職者や退職者が増えれば、新たに人材を採用する必要が生じ、そのためのコストも発生することになります。人材紹介会社などを通じて採用する場合のコストは、一般的に年収の30%となっています。つまり年収600万円の人材を採用するのであれば約180万円の採用コストが発生するというわけです。
さらに、採用にともなう新人の育成コストが生じるケースも多いでしょう。
メンタルヘルス不調による休職者・退職者を減らし、採用コストの発生を抑えるためにも、従業員のメンタルヘルス対策が役立つのです。以上、企業が従業員のメンタルヘルス対策を行うべき主な理由を4つご紹介しました。
さまざまなリスクを避けるために、メンタルヘルス対策の重要性を認識しておくことが大切だと言えるでしょう。