成長企業となるために必要なメンタルヘルス対策

成長企業となるために必要なメンタルヘルス対策

ジャンル:ストレスチェック

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日本は米国などと比べて生産性が低いと言われています。その大きな原因の一つは、従業員の精神疾患です。長時間労働は効率の悪さ、生産性の低さに通じますが、従業員の精神面の問題の原因は、労働の過重のみではありません。成長企業となるためには、このメンタルヘルス対策こそ、大きなカギとなりそうです。今回、ストレスチェックが初めて実施された日本のメンタルヘルス対策について考えます。

メンタルヘルス対策と生産性

日本企業の生産性は米国企業に比べて、40~50%低いといわれます。その原因の一つが従業員のストレス問題です。しばらく前から職場うつも問題になりました。厚生労働省の調査によると、仕事にストレスを感じる人は60%以上にのぼり、メンタルヘルスで1カ月以上休業したり退職する従業員のいる職場は1割近いのです。

また、労災請求の14%以上が自殺で、精神疾患による休業などによる損失は9,500億円というデータもあります。カンバン方式などで生産性向上を進めることが知られる日本の企業ですが、正常な企業経営と生産性向上のためには、従業員のメンタルヘルス対策が重要なことは明らかです。


一次予防とストレスチェック

従業員のメンタルヘルス対策には3つの段階が考えられます。発症予防の一次予防、発症対策の二次予防、職場復帰の三次予防です。そのなかでも、一次予防が早期対策としてまず重要です。この一次予防には、2015年12月に開始されたストレスチェックが大きな役割を果たします。

従業員50人以上の事業所に義務づけられたストレスチェック制度では、アンケート形式の簡単な質問によって従業員たちのストレスを把握して対策を行うことができます。現在、50人未満の事業所には努力義務、つまり「できるだけ実施する」というものですが、単純作業や長い労働時間など、ストレスが予想される事業所では、早めの実施をおすすめします。


組織改善と職場改善

一次予防から三次予防まで、いずれもその対策として、組織改善や職場改善が必要となることが予想されます。ただ、どういう改善を行ったらいいかは、なかなか難しいことです。それには、従業員たちのストレスの傾向や原因を把握して、対策を考えなければなりません。その点でも、ストレスチェック制度は大いに役立ちます。ストレスチェック結果の従業員の集団分析、さらに高ストレス者の医師による面談などによって、職場のストレスの原因や傾向を把握することができ、それを組織改善や職場改善に活用することができます。


まずはストレスチェックの実施を

日本企業は、景気の低迷や人口減少などから、低賃金、労働時間延長の傾向が進む可能性があります。そのため、従業員のメンタルケア、ストレス対策がより重要性を増すことになります。企業の労働生産性の点でも、従業員の生活のためにも、ストレス対策に有効なストレスチェック制度の活用は喫緊の対策といっても過言ではありません。

義務化された従業員50人以上の事業所はもちろんですが、一次対策、早期対策という点から考えて、50人未満の事業所も積極的に実施する必要があるでしょう。ストレスチェックは厚生労働省のサイトから簡単に試すことができるので、人事労務担当者、人事や総務の担当者はぜひお試しください。