休みの使い方でストレス状態がわかる?
ジャンル:セルフケア
休みの使い方でストレス状態がわかる?
ジャンル:セルフケア
誰しもストレスを抱える時代です。なかでも仕事のストレスは社会問題ともいえるものです。そのストレスが顕著に現れるのが、実は休みの取り方です。休みをどれほど取っているのか。どのように使っているのか。これについて、高ストレス者にはある傾向を認めることができるようです。従業員本人も事業所もともに注意すべき点でしょう。ストレスチェックや勤怠管理などとあわせて考えてみましょう。
休みを取る人、取らない人
仕事でストレスを抱えている人には特徴があります。ストレスを抱えていない人は、積極的に休みを取るようです。休みには、週休二日や祭日などの決まった休みと有給休暇があります。2016年11月に発表された株式会社メディプラス研究所のオフラボの調査「ココロの体力測定」によると、厚生労働省のストレスチェックによる77点以上の高ストレス者の45.6%が、有給休暇を取っていないということがわかりました。そのなかには、休日出勤を行っている人もいると考えられます。この高ストレス者の半数近くが有給休暇を取らないという事実からわかるように、有給休暇をしっかり取る人と取らない人を比べると、取らない人のほうがストレスは大きいのです。生活の中で仕事が占める時間が多いということは、生活の大半を仕事に依存しているともいえるでしょう。
休みをどう使うか
もう一つは休みをどう使うかです。大きく分けると、積極的、活動的に使う人とそうではない人がいます。同じオフラボの調査によると、「有給休暇の過ごし方」については、高ストレス者は「寝て終る」や家事、病気・怪我の治療、免許の更新といった作業や、ネットサーフィン、ゲームといった一人遊びが主です。それに対して、ストレスチェック77点未満の低ストレス者は、ジムやヨガなどの趣味、友人や異性と外出や旅行、帰省・親孝行など行動的で、高ストレス者と比較して、他者との触れ合いが多いことが目立ちます。この二つを合わせて考えると、有給休暇をあまり取らず、また取っても、家事や作業など以外の趣味や目的がない人、休暇時に人との交流が少ない人は、高ストレス者である可能性があります。労働時間だけでなく、休みの使い方にも仕事への依存度の高さが現れます。当然ストレスを感じる時間は大きくなり、その負荷もより大きくなります。
勤務時間とストレス管理
勤怠管理は事業所にとって労働と給与を知るために重要です。それと同時に、従業員のストレスをはかり、適切に対応・管理するためにも役立ちます。従業員の労働時間や休日出勤、そして有給休暇を取っているかどうか。これらとストレスチェックの結果を合わせれば、高ストレス者が有給を取らない人に多いと推測できます。それに基づいて、労働環境の改善や、産業医などのストレスチェック実施担当者からの指導などで、従業員のストレスの軽減をはかることができます。
ストレスが多い人のために
日本は働きすぎの傾向が抜けず、ほかの人が取らないからなど、有給休暇をあまり取得しない風潮があります。そのことが高ストレス者を増やし、職場うつやそれによる休職を増やしている原因の一つと考えられます。ストレスチェックの結果は個人としては本人にのみ通知されます。高ストレス者と判定されれば、実施担当者の医師などから面接や指導が行われます。そこまで至らない人でも、ストレスチェック結果と勤務時間、休日出勤や有給休暇などで、自分のストレスを自覚することが大切でしょう。
休みに目を向けること
事業所、事業主にとって、従業員のストレスは大きな問題です。また当人にとっても、仕事だけでなく、人生を左右する問題です。休みの取り方、使い方に目を向けて、勤務時間と勤務状況の把握、ストレスチェックによって、事業主と従業員が共に積極的に対応していくことが、高ストレス社会といわれる日本でストレスを軽減していくためには重要なのです。