そもそも「労働安全衛生法」ってなに?
ジャンル:ストレスチェック
そもそも「労働安全衛生法」ってなに?
ジャンル:ストレスチェック
皆さんは、平成27年12月から職場で「ストレスチェック」が行われることをご存知でしょうか?ストレスチェックとは、その名の通り個人のストレス度合いを調べるもので、平たく言えば「心の健康診断」のようなものです。
平成26年6月25日に公布された改正労働安全衛生法によって、新たに企業に義務化されました(従業員50人以下の場合は、実施は努力義務)。
ここで、おそらく多くの方が
「ストレスチェックの前に、そもそも労働安全衛生法ってどんな法律だろう……」
と疑問に思ったのではないでしょうか?
普段の生活の中では、なかなか耳にしない法律でしょう。
そこでこの記事では、労働安全衛生法について、その目的や歴史についてご紹介します。
■労働安全衛生法の目的
労働安全衛生法、通称「安衛法」の目的は、労働者の安全と健康を守ること。言い換えれば、「労働災害が起こらない環境をつくること」です。
労働者が働く中でケガや病気をしないよう、国を挙げてしっかりと守っていこうという法律なのです。
具体的な内容としては、
・危険物や有害物の取り扱いにおける制限
・労働者への事故対応教育の義務化
などが挙げられます。もっと身近なところで言えば、毎年行われる健康診断の実施を義務化しているのも、この労働安全衛生法です。
■労働安全衛生法の歴史
労働安全衛生法は、昭和47年に制定されました。もともとは労働基準法の中の一部だったものが、独立してひとつの法律となった形です。
制定当初は、労働における災害とは主に「業務に直接起因する健康障害」であると想定されていました。例えば、操作を誤ったら大きな事故につながるような機械を扱う、建設業の労働者などが対象だったのです。
しかし、時代の移り変わりとともに、その概念も少しずつ変化します。
過労死が社会問題になったことなどを背景に、「業務に直接起因する健康障害」から、「業務と密接な関係を有する健康障害」に注目が移っていきます。
■進化を続けてきた労働安全衛生法
企業のコンプライアンス向上(法律・規則を守ること)などによる職場環境の変化に伴って、労働安全衛生法も少しずつ進化してきました。労働者の安全と健康を、より多角的に捉えるようになってきたのです。
特に1990年代後半からはその動きが著しく、短い期間で法律の一部改正が複数回にわたって行われています。この流れによって平成26年の改正に至り、冒頭で触れたストレスチェックの義務化にたどり着きました。
■おわりに
労働安全衛生法の歴史や目的を知れば、ストレスチェックの重要性が理解できるのではないでしょうか?
企業にとっては負担が増える形となりますが、従業員一人ひとりの健康を総合的に管理することは、リスクマネジメントの一環。企業にとっても従業員にとっても、メリットがあると言えるでしょう。