「ぬるま湯最高」社内ニートの人々

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ジャンル:労務管理

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皆さんは、「社内ニート」なる言葉をご存知だろうか?一見すると大きな矛盾をはらんでいるような印象を受けるが、ニートの「何もしない」という要素をピックアップして生まれた言葉で、会社に籍を置きながらほとんど仕事をしていない人のことを指す。

このような説明を聞くと、
「仕事をしていないのに給料をもらえるなんて、夢のような話だ」
「頑張って働いている人に申し訳ないと思わないのか」
「何もしないならクビにしてほしい」
などという否定的な意見が数多く上がることが予想されるが、「社内ニート=楽に給料をもらっている」とすぐに決めつけてしまうのは危険である。
社内ニートと呼ばれる人の中には、本人も気づかないうちにストレスで心を蝕まれている人も多い。また、やる気はあるのに仕事がなく、そのことで苦しんでいる人も少なからずいる。
では、社内ニートとは具体的にどのような人のことを指すのだろうか?

■少しだけ楽をするつもりが習慣化してしまった

長い社会人人生の中では、どうしてもやる気が出ない日は誰にもあるだろう。そんな日は、少しでも仕事をサボりたくなってしまうもの。
上司の目が届かないところではネットサーフィンをする。
仕事が早く終わったにも関わらず、期限ギリギリまでやっているフリをする。
一つの作業に必要以上に時間をかける。
これらの一つひとつに後ろめたさを感じつつも、「楽をすること」を知ってしまい、どんどん習慣化してしまう。この悪循環が、社内ニートが生まれる主な要因だ。
ここで忘れてはならないのが、程度の差はあれ、本人が罪悪感を覚えていることである。習慣化するにつれて無自覚になっていくが、悪いことをしている自分に対する失望や嫌悪感は拭えない。よって、本人も知らないうちにストレスを抱えてしまうのである。
企業側としては、モチベーションを向上させるシステムや、サボりが習慣化しない体制づくりを強化しておきたい。

■与えられている仕事のレベルや量が能力に見合っていない

本人のやる気や希望に反して、仕事を与えられていない場合も考えられる。一度のミスで能力を過小評価されていたり、人間関係などが理由で不当な扱いを受けていたりするケースも少なくない。このような状態になってしまうと、ストレスから精神疾患を引き起こすまでに至る事態も起こり得るだろう。
現場の内情は、トップからの報告だけで掴むことはできないと言っても過言ではない。全員に対して匿名のアンケートをとったり、ストレスチェックを行ったりして、事実の正確な把握に努めたいところだ。

仕事を通じて得られるのは、決して給料だけではない。社会や同僚から必要とされ、認められることも、非常に大きな報酬だ。仕事をしていないからこそ生じるストレスがあることは、健全な組織づくりにおいて忘れてはならない。
先でも少し触れたストレスチェックでは、従業員の精神的負担を測るだけでなく、モチベーションが下がる原因を特定する手がかりにもなる。コンサルティング会社を利用するなどして、効果的に取り入れてみてはいかがだろうか?