室温で変わる、社内環境改善方法

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ジャンル:労務管理

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人事・総務担当者の皆さま。設備管理・備品管理・就業規則・社内ルールの改定など、普段から従業員が働きやすいように社内環境改善に取り組まれていることと思いますが、空調の改善はお済みですか?

人事・総務の方が担当する業務は幅広いため、ついつい空調管理のことは後回しになっているかもしれません。
しかし、そんな見落とされがちな空調が、実は従業員の大きなストレスにつながっている恐れがあります。

イーマインターナショナル株式会社が、オフィスの室内の温度設定について、20~40代の社会人300名を対象にアンケート(http://www.sbsgrace.com/column/health/health05.html)を取ったところ、以下のような結果となりました。

・「不満がある」と答えた人は15.8%
・「どちらかというと不満がある」と答えた人は32.8%

つまり、「何かしらの不満がある」と答えた人は、全体の48.6%と半数近くにも上ったのです。
オフィスが暑すぎたり寒すぎたりしては、肝心の業務に集中できず、仕事の成果に支障を来す恐れもあるでしょう。
ここまでを読んで不安を覚えた人事・総務担当者の皆さま、以下でご紹介する改善方法を社内で試してみませんか?

■まずは温度計・湿度計の設置から

「暑い・寒い」というのは個人差があり、曖昧なものです。
どちらの意見を聞いても公平感が出てこないので、温度設定によって全ての従業員の不満が解消されることはありません。
そのため、温度計・湿度計を設置して、「暑い・寒い」が目に見えるように視覚化すると良いでしょう。

ただし、広いオフィスであれば、日差しや方角、エアコンの吹き出し口の場所などによって温度・湿度は異なります。
長方形のオフィスであれば、部屋の四隅にひとつずつ、中央にひとつの計5つは設置することが望ましいでしょう。
ちなみに、オフィスでエアコンを使用する場合の基準は、労働安全衛生法という法律で以下のように定められています。

空気調和設備を設けている事業者は、

・室内の気温が17度~28度
・相対湿度が40%~70%

なるように努めなければならない。

こちらをもとに、夏季と冬季の設定温度・湿度を社内ルール化し、定期的にチェックして空調の調節を行うだけでも、従業員の快適さはずいぶん変わってくることでしょう。

■空調調節でまかなえない部分は席替えも考慮


オフィスによっては、ビルの管理者に依頼しなければ、空調調節ができないこともあります。
そのような場合は、オフィスの席替えを考えてみましょう。

中には、
「暑い・寒いで席など決められない」
「席替えで効果があるとは思えない」
と感じる方もいるかもしれません。

しかし、例えば外出が多い営業マンの席を帰ってすぐ涼しく、あるいは暖かく感じられるように、エアコンの効きが良いエリアに配置するといった工夫だけでも、従業員のストレスは改善される可能性があります。
もちろん、オフィス内の従業員にアンケートを採り、その結果から席を決めるといった方法も効果的です。

■個々人が服装を調整する

上記のような方法を試しても、やはり「暑い・寒い」には個人差があるでしょう。
最終的には、個々人が服装を調節することも大切になりますが、社内のルールによって服装が制限されていると、体温調節に適した服装を選べない可能性があります。

そのようなオフィスでは、

・社内では多少ラフな格好を許可する
・小型の冷房器具や暖房器具の持ち込みを許可する
・マフラーやひざ掛けを推奨する

上記のようなことに、取り組んでみるのはいかがでしょうか?
経営者や上司などが率先して体温調節に取り組めば、従業員も積極的に取り組みやすい環境となります。

■空調へ対するストレスチェックも取り入れてみては?

今回ご紹介した改善法を実践しても、やはり定期的な見直しは必要です。
空調を含む社内環境に対してストレスがないか、アンケートやチェック票を用いて従業員の声を聞けば、具体的な対策を立てやすくなります。
2015年12月から義務化されたストレスチェックは、従業員の声を聞く手段として効果的と言えますが、ただ実施するだけではなく、その内容を慎重に決めることが大切になるでしょう。