「目がぁ! 目がぁ!」 照明の明るさがストレスを作る!

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ジャンル:労務管理

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ストレスチェック制度が導入され「何が従業員のストレスにつながるのか?」について考えられる機会が増えてきました。

ストレスの原因はさまざまありますが、照明もストレスを与える原因のひとつです。仕事も人間関係も問題ないのになんだか不調が続く場合、それは照明のせいかもしれません。

今回は照明とストレスの関係と、職場における照明の明るさについて規定されている2つの規格をご紹介します。

ときに明るさは多大なストレスになる

現代のオフィスワークは多くの照明器具に囲まれています。電気はもちろん、パソコンやスマホ、タブレット、そして会議などで使われるプロジェクターなどがそうです。

これら機器の放つあまりに明るい光にさらされていると、眼精疲労が溜まりやすくなります。眼精疲労の蓄積は視力低下や慢性的な疲労感、偏頭痛などを引き起こし、最悪の場合うつ病にまで発展する可能性があります。

そのため、照明の明るさを見直して過ごしやすい環境を作っていくことは非常に大事なことです。

照明の理想的な明るさとは?

職場での照明の明るさはどれほどにすれば良いのでしょうか? 照明の理想的な明るさについては、「JIS規格」と「労働安全衛生法」にて触れられています。

以前はJIS規格が主流でしたが、最近では労働安全衛生法に基づいた明るさに変更しようという動きが出てきています。

労働安全衛生法はその名前の通り、労働者の労働環境に関する基準を定めた法律で、労災防止などに役立っています。

その中には照明に関しての規定もあり、作業区分によって3つに規定されています。

タイピングなど精密な作業:300ルクス
事務職などの作業:150ルクス
荷積み・荷降ろしなどの粗な作業:70ルクス

ただしこれらの数値はあくまで最低値であり、現状はこれらよりも高い数値を定めている
JIS規格が一般的になっています。

労働安全衛生法の規定とJIS規格の比較

日本の職場で最も多く採用されているJIS規格では、机の上は750ルクス以上の照度が規定されています。労働安全衛生法の定める300ルクス以上と比べると、倍以上の明るさです。

そして実際のところ、多くの事務所では1000ルクスほどの明るさを維持しているという報告も出ています。これから分かることは、日本の職場の照明は「明るすぎる」場合があるということです。

精密作業を行うところであっても、最低300ルクス以上であれば、750ルクスまで上げる必要はありません。これはコストダウンにもつながり、目にかかるストレスも軽減できるので一石二鳥になります。

労働安全衛生法の規定にした方が良いもう一つの理由

各会社がJIS規格から労働安全衛生法の規定に移行している理由がもう一つ挙げられます。LEDの発展に伴い、パソコンの画面も蛍光灯もLEDベースが主流になっていることです。

LEDの光はブルーライトと呼ばれる波長が非常に強く、この波長は夏の晴天と同等の波長を持っているため、目にかかるストレスは非常に強いといわれています。

そのため職場の明るさを労働安全衛生法の規定に対応させることで、パソコン以外から受ける目の刺激を抑え、ストレスを受ける機会が軽減することができるのです。
社員達のメンタルヘルスケア対策は、今後どの企業においても取り組まなければならないことになってくることでしょう。

その際はぜひ、比較的着手しやすい照明の交換と事務所内のルクスの軽減から始めてみてはいかがでしょうか?