何もしなくていい?従業員50人未満の会社

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ジャンル:労務管理

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平成27年12月から実施されるストレスチェック制度は、従業員50人以上の事業所に対して義務付けられているものです。そのため、

「従業員50人未満の場合は何もしなくて良いの?」

と疑問に思う方もいるでしょう。
そこで今回は、ストレスチェック制度における、従業員50人未満の事業所に関する情報をご紹介します。

■50人未満ならストレスチェックの義務はない?

従業員50人未満の事業場ストレスチェック実施は、「努力義務」とされています。つまり、実施するかどうかについては、事業所側が決めてしまっても特に問題はありません。
ただし、義務付けられていないからと言って、「しない方が望ましい」というわけではありません。その理由は以下の通りです。

■【理由その1】企業の損失は人数に関わりなく起こる

平成25年に実施された厚生労働省の調査によると、仕事や職場に対して不安・ストレスを感じている労働者の割合は、「52.3%」とされています。つまり、従業員が30人の事業場を例に挙げると、その半数にあたる15人前後は、不安やストレスを感じている可能性があるということです。
その中から1人でも休職者・退職者が出ると、事業場には

休職中の手当、退職金などのコストがかかる

・従業員全体の負担が増える(残業代が増える可能性もある)

などのデメリットが生じます。
そのようなリスクを回避する方法として、ストレスチェックは企業にとって効果的な手段と言えるのです。また、ストレスチェックにはほかにも

・労働環境の改善により、従業員のモチベーションが上がる

・企業の評判が良くなる

などのメリットがあります。

■【理由その2】助成金制度がある

ストレスチェックを実施したいけど、予算をねん出することが難しい…」

そのようなことにお悩みの事業者の方はいませんか?
実は、従業員50人未満の事業場ストレスチェックを実施すると、「助成金」を受け取れる可能性があります。
この助成金制度を活用すれば、予算の少ない事業場であっても、十分なストレスチェックを実施できる可能性があるでしょう。
具体的には、

ストレスチェック実施費用(1名500円)

ストレスチェックに関わる産業医活動(1事業場あたり産業医1回の活動につき21,500円、上限3回)

の費用の助成が受けられます。
ただし、この助成金を受け取るには、5つの要件を満たす必要がある点に注意。事業者の方は、しっかりと確認しておきましょう。

・常時使用する従業員数が50人未満であり、同一の都道府県内にある複数(2から10まで)の小規模事業場を含む事業場で集団を構成していること。

・集団を構成する小規模事業場事業者産業医を合同で選任し、ストレスチェックに係る産業医活動の全部又は一部を行わせること。

ストレスチェック実施者及び実施時期が決まっていること。

・集団を構成する全ての小規模事業場において、ストレスチェック及び面接指導を行う予定であること。

・集団を構成する小規模事業場の代表者と産業医(合同選任産業医)が同一者でないこと。

また、上記の要件を満たすことに加え、事前に労働者健康福祉機構へ届け出ることも必要となります。

■おわりに

このように、ストレスチェックは従業員のメンタルヘルス維持につながり、要件を満たす事業場では費用の助成も受けられるなど、企業側にもメリットがある制度です。そのため、従業員50人未満の事業場も、ストレスチェックの実施を積極的に考えてみましょう。